乳房にしこりがある

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もしも愛犬の乳房にしこりがあったら~乳ガンや乳腺炎などの疑いアリ~

「愛犬の乳房にしこりのような物があるわ」と感じたら、要注意です!
もしも愛犬の乳房にしこりがある場合、下記の疾患が疑われます。

乳ガン

犬の乳ガンとは、哺乳動物のメスでだけ機能し、左右の乳頭に沿って存在する母乳を分泌する組織である「乳腺」(にゅうせん)と呼ばれる腺組織にガンが発生した状態です。
乳腺腫瘍とも呼ばれます。

乳腺と外界を結ぶ乳頭は、通常左右に5つずつ、合計10個付いています。
胸から下腹部にかけて広がっており、上から「前胸乳頭」、「後胸乳頭」、「前腹乳頭」、「後腹乳頭」、「鼠径乳頭」と呼ばれます。
なお乳頭が4つや6つなど、5つ以外の数であっても決して異常という訳ではありません。
腫瘍はどの乳腺でも発生する可能性を持っており、単独で現れることもあれば複数同時に現れることもあります。

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乳腺炎

犬の乳腺炎(にゅうせんえん)とは、母乳を産生する乳腺と呼ばれる腺組織に炎症が生じた状態のことです。
発情後や出産後授乳時期の女の子の犬に多くみられる病気です。

乳腺は通常、左右の乳頭に沿って存在する乳汁を分泌する分泌組織です。
左右に5つずつ合計10個付いており、上から「前胸乳頭」、「後胸乳頭」、「前腹乳頭」、「後腹乳頭」、「鼠径乳頭」と呼ばれます。
これらの乳腺は必ずしも左右対称ではなく、しばしば微妙にずれた感じで並んでいます。
理由は、横になって授乳するとき、子犬たちが重なり合わないようにするためです。

乳腺は女性ホルモンであるエストロゲンの作用によって増殖し、同じく女性ホルモンのプロゲステロンの作用によって発達します。
また乳汁の産生を促すのは、プロラクチンと呼ばれる別のホルモンの役割です。
各種ホルモンの影響を受けて乳汁を溜めこんだ乳腺は、子犬が乳首に吸い付いたときの刺激で覚醒し、脳内の視床下部におけるオキシトシンの産生を促します。
産生されたオキシトシンは隣接する下垂体から分泌されて乳腺を包み込んでいる筋肉を刺激し、乳汁分泌を促します。

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