哺乳動物のメスでだけ機能し、母乳を産生する「乳腺」(にゅうせん)と呼ばれる腺組織にガンが発生した状態です。
乳腺と外界を結ぶ乳頭は、通常左右に5つずつ、合計10個付いています。胸から下腹部にかけて広がっており、上から「前胸乳頭」、「後胸乳頭」、「前腹乳頭」、「後腹乳頭」、「鼠径乳頭」と呼ばれます。なお乳頭が4つや6つなど、5つ以外の数であっても決して異常という訳ではありません。腫瘍はどの乳腺でも発生する可能性を持っており、単独で現れることもあれば複数同時に現れることもあります。
良性腫瘍と悪性腫瘍
犬の乳ガンのステージ | |
ステージ1 | 腫瘍の直径が3cm未満 |
ステージ2 | 腫瘍の直径が3~5cm |
ステージ3 | 腫瘍の直径が5cm以上 |
ステージ4 | 腫瘍の直径に関わらず近くのリンパ節に転移している |
ステージ5 | 腫瘍の直径やリンパ節への転移に関わらず、遠隔組織に転移している |
基本的に、犬が妊娠していないにもかかわらず、お乳だけが張ってくるような場合は、腫瘍の可能性を疑いがあります。また動物病院では、「最初にしこりに気づいた時期とその大きさ」、「避妊手術の有無と時期」、「乳腺炎の罹患歴」、「最後に発情を迎えた時期」などを聞かれますので、事前にポイントを押さえておくようにしましょう。
主な症状 |
☆乳頭の腫れ |
☆胸やおなかへのタッチを嫌がる |
☆腋の下や腿の付け根が腫れている |
☆食欲低下と体重減少(悪性の場合) |
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犬の乳ガンの主な原因
- 犬の乳ガンを引き起こす原因の筆頭はホルモンです。具体的にはエストロゲン、プロゲステロン、プロラクチン、グロスホルモン(成長ホルモン)などが関わっていると考えられています。なお、人間の女性で確認されている、乳ガンと妊娠の時期、初産の年齢、産んだ子供の数、性周期の異常、偽妊娠との関係は、犬ではそれほど強くないとされています。
- 乳腺炎を患っているメス犬における腫瘍発生率が9倍になるというデータがあることから、乳腺における炎症が何らかの関わりを持っていると考えられます。
- ビーグル、シーズー、ウェルシュスプリンガースパニエルにやや多く発症するようです。
- 原因不明の場合も少なくありません。
犬の乳ガンの主な治療法
- 患部を外科的に切除するという治療法がまず真っ先に適用されます。腫瘍が1センチ未満で孤立しており、皮膚や筋肉に固着していない場合は腫瘤のみを切除し、腫瘍が1センチ以上で皮膚や筋肉への固着が見られる場合は、腫瘤とその周辺組織を一緒に切除してしまいます。またリンパ管によってガン細胞が広がることをあらかじめ避けるため、両側の乳腺を切除してしまうという「両側乳腺切除術」も一般的です。この手術では、左右どちらか一方の乳腺をすべて切除し、それから20~30日の間隔を隔ててもう一方の乳腺もすべて切除してしまいます。このとき、ガン細胞が組織内に深く浸潤しているような場合は、乳腺と併せて筋膜や腹壁自体を切除することもあります。
- 一定の光を受けると活性酸素を作り出す物質を利用する治療があります(光線力学療法)。光増感剤を血管内に投与して腫瘍細胞に染み込ませ、そこに特殊な光を照射します。するとそこで活性酸素が作り出され、ガン細胞の増殖を抑え込みます。
- 抗ガン剤を用いた薬物療法があります。外科療法の目的がガンの根治であるのに対し、化学療法の目的は病状悪化の抑制とQOL(生活の質)の維持だといえます。
- 飼い主が日頃から、病気の早期発見を兼ねてマッサージしてあげていると、いち早く乳腺付近の病変を見つけることができます。乳頭に異常はないか、お乳を触ると痛がらないか、腋の下や腿の付け根のリンパ節は腫れてないか、腫れがあったとしたらコリコリが動くかどうかなどを注意深くモニターするようにします。なお見つかったコリコリがもしガンだった場合、むやみに触っているとリンパ管を通して細胞が広がってしまう危険性があります。「怪しい」と思ったらすぐにかかりつけの獣医さんに相談した方がよいでしょう。
- 避妊手術によって卵巣を摘出することは、乳ガン予防につながります。犬の乳腺腫瘍は、50~60%の確率でエストロゲンレセプターを持っているといわれています。つまり卵巣から分泌されるエストロゲンに反応して細胞が活性化され、乳ガンに発展する可能性があるということです。ですから大元であるエストロゲン、およびそれを分泌する卵巣自体を取り除いてしまえば、乳ガンの発症率も下げることができます。
※避妊手術を行う場合は、メス犬が初めての発情を迎える前の生後6ヶ月齢までに済ませておくのがよいようです。
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