フケが多い

もしも愛犬のフケが多いと感じたら~脂漏症やツメダニ皮膚炎などの疑いアリ~

「愛犬の皮膚に普段はないのに、フケがあるな」、「愛犬からフケが出ていて、ニオイもきついわ」と感じたら、要注意です!
もしも愛犬のお腹が鳴る場合、下記の疾患が疑われます。

脂漏症

犬の脂漏症(しろうしょう)とは、皮膚の新陳代謝が異常に速くなり、全身の皮脂腺の分泌が過剰になったり、皮膚の角化が異常に亢進した状態をいいます。「脂漏性皮膚炎」、「マラセチア皮膚炎」とも呼ばれます。
症状としては、皮脂が多く皮膚が脂っぽくなったり、逆に皮膚が乾燥したりします。
マラセチアは犬の外耳道、肛門嚢、指の間、唇、皮膚粘膜などに常在しているありふれた酵母です。
通常であれば、犬の皮脂腺から分泌される脂質を栄養分としながらのんびり暮らしていますが、何らかのきっかけによって突如病原体と化してしまうことがあります。
この変化を生み出している要因は定かではありません。
おそらく「宿主の免疫力低下」、「脂質の過剰分泌」、「皮膚表面の湿度の上昇」、「皮脂の成分の変化」、「角質層への微小ダメージ」などが複雑に絡み合って発生するのだろうと推測されています。
マラセチア属は、プロテアーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、リポキシゲナーゼといった各種の分解酵素を放出し、皮膚におけるタンパク質の分解、脂肪の分解、pHの変化を誘発します。
こうした変化が炎症反応を引き起こし、様々な症状として現れます。好発部位は、唇、耳、四肢の内側、腋の下、鼠径部(太ももの付け根)、しっぽの付け根などです。

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疥癬(かいせん)

犬の疥癬(かいせん)とは、皮膚にイヌセンコウヒゼンダニが寄生して炎症を引き起こした状態を言い、非常に痒みの強いのが特徴です。
ちなみに、このヒゼンダニは人へも感染します。

 ダニは季節や犬の年齢・品種に関わりなく感染し、皮膚の最外層である角質層に穴を掘り、そこで産卵しながら約3週間生息します。
 その間、皮膚の破壊、刺激性分泌物の放出、糞の排泄といった要因が免疫細胞を呼び寄せます。
 これが「炎症反応」です。
 免疫細胞は異物を除去しようとして各種の化学物質を放出しますが、異物だけでなく周辺の神経も刺激してしまいます。
 このようにして激しいかゆみが引き起こされます。

 疥癬は感染してすぐにかゆみが出るわけではなく、通常は2~6週間の潜伏期があります。
 なおミミヒゼンダニが引き起こす「耳疥癬」に関してはこちらをご参照ください。

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ツメダニ皮膚炎

犬のツメダニ皮膚炎とは、ダニの一種であるイヌツメダニ(Cheyletiella)の寄生によって引き起こされる皮膚炎のことです。
 この皮膚炎の特徴は、かゆみ自体は軽いですが大量のフケが発生します。
 
 皮膚症状を引き起こすツメダニとしては、主に犬に寄生する「イヌツメダニ」(C.yasguri)、主に猫に寄生する「ネコツメダニ」(C.blakei)、主にウサギに寄生する「ウサギツメダニ」(C.parasitovorax)の3種が有名で、体の前方についた鋭い鉤爪(フック)を最大の特徴としています。
 この鉤爪で宿主の皮膚に取りつき、傷をつけて体液やリンパ液を摂取しながら生きていきます。皮膚に穴をあけて掘り進めるヒゼンダニ(疥癬)と大きく異なるのはこの点でしょう。

大きさはメスが0.6mm、オスが0.4mm程度とやや大きめで、虫眼鏡さえあれば視認することができます。
宿主の皮膚の上で出会ったツメダニのオスとメスは、そこで交尾をして産卵します。
生まれた卵はまるで蚕のように糸で被毛に付着し、3~4週間かけて3回脱皮しながら、成虫へと育っていきます。
これがツメダニの基本的なライフサイクルです。

人にも動物にも感染する人獣共通感染症の一種ですが、人間にとって幸いなことに、ツメダニは人の皮膚の上では繁殖できません。
ですから一過性の症状を引き起こしたのち、自然消滅していきます。

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