お尻をこする

目次

愛犬のお尻をこすりつける仕草:その背後に隠れる可能性のある疾患

愛犬がお尻を地面や床にこすりつける行動を見せることがありますが、これはただの癖や行動ではなく、潜在的な健康問題のサインであることが多いです。
この仕草、一般的に「スクーティング」と呼ばれる行動は、犬が何らかの不快感やかゆみを感じていることを示しています。
肛門嚢炎、肛門周囲腺炎、会陰ヘルニアなど、さまざまな疾患がこの行動の背後に隠れている可能性があります。
ここページでは、スクーティングの原因となる主な疾患と、それらの早期発見・対処法について解説していきます。


  • 肛門嚢炎
  • 肛門周囲腺炎
  • 会陰ヘルニア

肛門嚢炎

肛門嚢炎は、犬の肛門の両側に位置する肛門嚢内に特有の臭いを放つ分泌物が滞留し、炎症を起こす状態を指します。

この病態の主な原因は、分泌物の排出不良や細菌の感染によるものです。
症状としては、お尻の腫れや赤み、そして強いかゆみが現れ、このかゆみにより犬が肛門部を地面にこすりつける「スクーティング」という行動を示すことが多いです。

この炎症は放置すると、膿がたまり膿瘍を形成することもあります。
したがって、犬がスクーティングの行動を示したり、肛門周辺に異常を感じたら、速やかに獣医師の診察を受けることが推奨されます。

肛門周囲腺炎

肛門周囲腺炎は、犬の肛門周辺に存在する腺が炎症を起こす症状を指します。
この腺は、通常は便の際に分泌物を排出する役割を持っています。

原因は、分泌物の滞留や感染、アレルギーや食事の問題などが考えられます。
この滞留や感染により、腺が腫れて炎症を起こすことがあります。

犬は強いかゆみを感じるため、肛門部を地面にこすりつける「スクーティング」の行動をとることがよく見られます。
また、肛門周辺の腫れや赤み、臭いの強い分泌物の排出などの症状が現れることもあります。

症状の発見や犬がスクーティングの行動を示した場合は、速やかに獣医師の診察を受けることが重要です。
適切な診断と治療により、愛犬の不快感を早急に和らげることができます。

会陰ヘルニア

会陰ヘルニアは、犬の会陰部に位置する筋肉の弱点や裂け目を通じて、内臓や脂肪が突出する疾患を指します。

このヘルニアの主な原因は、筋肉の弱化や加齢、怪我、または遺伝的要因などが考えられます。
中性化手術を受けていない雄犬に多く見られることが知られています。

症状としては、会陰部の腫れや突出、便秘や排尿困難といった消化・排泄に関するトラブルが挙げられます。
また、犬が不快感や痛みを感じるため、肛門部を地面にこすりつける「スクーティング」の行動を示すこともあります。

犬がこれらの症状を示した場合や、スクーティングの行動をとっている場合は、速やかに獣医師の診察を受けることが推奨されます。
適切な診断と治療が必要となることが多い疾患です。

まとめ

愛犬がお尻をこすりつける「スクーティング」という行動は、以下の疾患を疑うべきサインとして認識されます。

  1. 肛門嚢炎: 肛門の両側に位置する肛門嚢内の分泌物が滞留し、炎症が起こる状態。お尻の腫れや強いかゆみを引き起こします。

  2. 肛門周囲腺炎: 肛門周辺の腺が炎症を起こす状態。分泌物の滞留や感染が原因となることが多い。

  3. 会陰ヘルニア: 会陰部の筋肉の弱点を通じて内臓や脂肪が突出する疾患。会陰部の腫れや突出、消化・排泄のトラブルを引き起こすことがある。

これらの疾患は犬が不快感や痛みを感じることが多いため、スクーティングの行動を示すことが多いです。
このような行動や症状を発見した場合、速やかに獣医師の診察を受けることが推奨されます。