四肢(足)の硬直・手足を突っ張る

目次

愛犬の足の硬直・突っ張りが示す深刻なサイン!その背後に潜む隠れた疾患とは?

愛犬の日常の動きや姿勢から、何らかの異変を感じたことはありませんか?
特に、犬の足が硬直したり、突っ張るような状態になる場面を目にした場合、飼い主として心配になるのは当然です。
しかし、この現象がどのような原因から引き起こされるのか、正確に知っている飼い主は少ないのではないでしょうか。

このページでは、愛犬の足の硬直や突っ張りが示す可能性のある犬の疾患について、専門家の意見をもとに詳しく解説していきます。
関節の問題、筋肉の疾患、神経系の障害など、様々な要因が考えられるこの現象。
飼い主の皆様には、早期に正しい対応を取るための知識を身につけていただきたいと思います。

愛犬の健康を守るための第一歩として、ぜひこの情報をチェックしてください。


  • てんかん
  • 髄膜脳炎
  • 低カルシウム血症
  • 破傷風
  • 椎間板ヘルニア

てんかん

犬のてんかんは、脳の過度な神経活動により発症する周期的な発作を伴う神経系の疾患です。
以下は、犬のてんかんに関する簡単な説明です。

原因: てんかんは、多くの場合特定の原因が不明であるが、脳の異常、遺伝、外傷、脳の感染症、腫瘍などが原因となることがある。

主な症状

  1. 突然の意識喪失
  2. 足を硬直させる、突っ張らせる
  3. 唾液の過剰分泌や泡を吹く
  4. 一時的な失明や混乱

発作の種類: てんかんの発作は大きく2つに分けられます。

  1. 全般発作(グランドマール):全身の筋肉が硬直し、意識を失い、けいれんを起こす。
  2. 部分発作(ペティマール):一部の筋肉にけいれんが見られる。

診断: 獣医師は、脳のMRIや脳波検査などの詳細な検査を行うことで、他の神経系の疾患との区別をつけて診断します。

治療抗てんかん薬の投与が主な治療として行われる。
一度発作を起こした場合、再発のリスクがあるため、継続的な治療が必要となることが多い。

てんかんの発作は突然起こるため、飼い主としては発作中の安全確保や、獣医師との連携が大切です。

治療法や症状の詳細はこちら

髄膜脳炎

犬の髄膜脳炎は、犬の脳や脳を覆う髄膜の炎症を指します。
以下は、犬の髄膜脳炎に関する簡単な説明です。

原因感染症、免疫系の異常、遺伝などが考えられる。
特定の原因が不明な場合も多い。

主な症状

  1. 足を硬直させる、突っ張らせる
  2. 突然の発作やけいれん
  3. 高熱や意識の低下
  4. 痛みを伴うことが多く、首の硬直や痛みを示すことがある

診断脳波検査、脳のMRI、脳脊髄液の採取などの詳細な検査を行うことで、他の神経系の疾患との区別をつけて診断します。

治療: 感染症が原因の場合は抗生物質の投与が行われることが多い。
免疫系の異常が原因の場合は、免疫抑制薬が使用されることもある。
症状や原因に応じて、最適な治療法が選ばれる。

髄膜脳炎は急速に進行することがあるため、犬が異常な症状を示した場合は、すぐに獣医師の診察を受けることが重要です。

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低カルシウム血症

犬の低カルシウム血症は、犬の血液中のカルシウム濃度が低下する状態を指します。
以下は、この状態に関する簡単な説明です。

原因

  1. 副甲状腺の機能低下や手術後の副甲状腺の障害
  2. 腎臓疾患や腎不全
  3. 過度な尿カルシウムの排泄
  4. 犬の哺乳時期や乳房炎の際のカルシウムの消耗

主な症状

  1. 足の硬直や突っ張り
  2. 痙攣や発作
  3. 顔をこすりつける、不安や興奮状態
  4. 呼吸困難や心拍数の増加

診断: 病歴や臨床症状の確認の後、血液検査を行い、血中のカルシウム濃度を測定することで診断される。

治療: 低カルシウム血症は緊急を要する状態であり、カルシウムの静脈内投与や、カルシウム補給のための食事療法、サプリメント投与が行われることが多い。

犬が上記の症状を示した場合は、速やかに獣医師の診察を受けることが重要です。
特に哺乳中の雌犬や、手術を受けたばかりの犬は、低カルシウム血症のリスクが高まるため、注意が必要です

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破傷風

犬の破傷風(テタヌス)は、クロストリジウム・テタニ菌によって生じる神経系の感染症です。
この菌は土壌や汚染された環境に存在し、傷や切り傷から体内に侵入することがあります。
以下はこの病気に関する簡単な説明です。

原因

  • 傷口や手術の後、汚染された環境からの菌の侵入
  • 咬傷や深い切り傷、特に不衛生な状態での傷

主な症状

  1. 足の硬直や突っ張り
  2. 顎の筋肉の硬直(ロックジョーとも呼ばれる)
  3. 全身の筋肉のけいれんや痙攣
  4. 呼吸困難

診断: 病歴や臨床症状の確認の後、細菌の培養や毒素の検査が行われることもあります。

治療抗テタヌス血清の投与や抗生物質を用いた治療が行われます。
重症の場合、筋肉の痙攣を和らげるための薬も投与されることがある。

犬が上記の症状を示した場合や、深い傷を負った場合は、速やかに獣医師の診察を受けることが重要です。
予防のためには、傷を適切に清潔に保ち、外傷の際の適切な手当てを行うことが必要です。

ヒトにも他の動物にも感染する人獣共通感染症(じんじゅうきょうつうかんせんしょう)の一つであり、日本では感染症法によって、診断した医師は7日以内に最寄りの保健所に届け出ることが義務化されています。

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椎間板ヘルニア

犬の椎間板ヘルニアは、椎間板が異常に突出し、脊髄や神経を圧迫することで生じる疾患です。
以下はこの病気に関する簡単な説明です。

原因

  • 年齢や遺伝的な要因
  • 某些犬種はこの病気になりやすいとされる(例:ダックスフンド、シーズーなど)

主な症状

  1. 足の硬直や突っ張り
  2. 歩行障害やびっこを引く
  3. 脊髄の圧迫が進むと四肢の麻痺や筋力低下
  4. 痛みを伴うことが多い

診断

  • 犬の症状や神経学的検査をもとに初期診断が行われる。
  • 確 definitive的な診断のためには、MRIやCTスキャンが行われることが多い。

治療: 治療は症状の重さや原因に応じて異なるが、初期の軽度な症状では安静や炎症を和らげる薬が処方されることがある。
重症の場合、外科手術が必要となることもある。

犬が上記の症状を示した場合は、速やかに獣医師の診察を受けることが重要です。
適切な診断と治療を行うことで、愛犬の快復をサポートすることができます。

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まとめ

愛犬が足を硬直させたり、突っ張らせた場合に留意する点:

  1. 継続性一時的な現象なのか、持続的に足が硬直しているのかを確認します。突然の一時的な硬直は筋肉のけいれんや一時的な痛みが原因の可能性があります。

  2. 関連する症状足を引きずる、歩行障害、ふらつき、痛みを示す行動(例:足を舐める、噛む)など、他の関連する症状が見られるかを観察します。

  3. 事前の活動過度な運動やジャンプ、落下など、硬直や突っ張りの前に何らかの特定の活動をしていたかを確認します。

  4. 触診足や関節をゆっくりと触れてみて、腫れや熱を感じる部分、痛がる部分があるかを確認します。

  5. 足の温度硬直している足が冷たい、または特に温かい場合、血行の問題や炎症が考えられます。

  6. 関節の変形関節が腫れている、または変形している場合、関節炎や他の関節の疾患が疑われます。

  7. 日常の活動量最近の運動量の増減や、新しい活動の導入など、日常の変化が硬直や突っ張りの原因となっている可能性があります。

  8. 薬やサプリメント最近新しく始めた薬やサプリメントが、筋肉や関節に影響を与えている可能性も考慮します。

  9. 早急な対応足の硬直や突っ張りが長時間続いている、または明らかな痛みや歩行困難が伴う場合、速やかに獣医師に相談することが重要です。

足の硬直や突っ張りは、軽微なものから深刻な疾患まで様々な原因が考えられます。異変を感じたら、適切なケアと対応を求めるための情報収集と獣医師との連携が大切です。