紀州犬の特徴は?性格・外見・病気・しつけなど飼い方がここに!

ドッグ界の「関羽雲長」 紀州犬

日本の天然記念物でも紀州犬ですが、家族以外にはあまり懐かないという野性味あふれる性質があります。
ただ飼い主に対しては並々ならぬ忠誠を示し、それはあたかも三国志における劉備に対する関羽のようでもあります。
攻撃的ですし。。。。

ここでは、紀州犬の誕生した背景や歴史、性格や外見、手入れ方法や散歩の頻度、性質から見るしつけ方の詳細をまとめていますので、是非ご参考になさってください。



紀州犬の歴史

イノシシ猟でも活躍してきた天然記念物の犬種

紀伊半島3県の和歌山・三重・奈良にまたがる紀伊山地周辺で飼育されてきました。
この紀伊山地周辺でのイノシシ猟や、それに伴う諸作業に使われていた土着犬を品種固定した犬種です。

紀州犬には実際の犬種の歴史とは別に、伊勢や熊野、奈良という神仏信仰が盛んな土地柄ということもあり、紀州犬の誕生にまつわる物語が伝えられています。
例えば、弘法大師(空海)が修業のために霊場を訪ね歩いていたとき、そこへ導いた犬が紀州犬であったという伝説があります。

また、ケガをして苦しんでいるオオカミを助けた猟師である弥九郎への恩返しに、後日、オオカミが自分の子どもを猟師に与えたというのが紀州犬の始まりという伝説もあり、じ紀州犬の野性味溢れる特徴を表した寓話もあります。
ちなみに実際に弥九郎の墓所が熊野観音札所第17番水月山岩洞院(三重県南牟婁郡御浜町阪本)にあります。

紀州と言ってもその地域は広いことから、もともとは「那智犬」「太地犬」「熊野犬」「奥吉野」などと地域ごとにに分かれていましたが、日本犬保存会に「紀州犬」として登録された際、これらの犬を1犬種にまとめることになり、紀州犬と名付けられました。
その後、1934年5月1日に紀州犬は天然記念物として指定されました。

現在でも現役の猟犬として働く紀州犬は、本来はイノシシと対峙する気の強い性質の犬ですが、飼い主に対して非常に忠実な性格でしつけがしやすいことで、近年は家庭犬としての性質が高まるように育種される傾向にあります。
また、イノシシ猟のための専門の訓練所も存在しています。

紀州犬の特徴

まじめで主人に忠実な攻撃的な犬種

紀州犬は、筋肉質でバランスの良い体型をしています。
目は特徴的なやや吊り上がった三角目をしており、耳もピンと立った三角耳です。
俊敏性、走力に優れており、運動性能の高い犬種です。

被毛は短いですがダブルコートで、アンダーコートはかなり密生しているので、換毛期における抜け毛は多いです。
カラーは、紀州犬と言えば「ホワイト」というイメージを待たれがちですが、「赤」「胡麻」「虎」なども存在しています。

性格は子犬の頃は遊び好きでやんちゃなイメージがありますが、成長に落ち着てきます。
飼い主に対しては非常に忠実で、実直でもあり、とても真面目な印象です。
警戒心もあり、社交性もあまりないので、番犬としても務まるでしょう。

優れた犬は1頭でもイノシシを倒すと言われるほどの勇猛さで知られ、気性は荒い傾向があります。
2015年には、千葉県で雄の紀州犬が飼い主と近隣の住人を襲って負傷させ、通報を受けた警察官によって射殺されるという事件も起きています。

外見

すっきりと鼻筋の通った顔にピンとたった三角耳と目はキリっとした三角目の典型的な日本犬の特徴があります。
尾は柴犬などに多い巻尾と狼のような差し尾が両方が存在します。
体は筋肉質で、頭部がやや大きく、力強い四肢をしています。

被毛は短く、硬い直毛の上毛とやわらかく密生した下毛のダブルコートです。
現在、紀州犬のほとんどが白い被毛の個体が多いですが、虎毛や胡麻毛、赤毛、黒毛も認められています。

白色毛のものが多い理由については、薄暗い山林でのイノシシとの誤射を防ぐためとされるが、実際は白が好まれる最近の傾向による部分が大きいとの説もあり、昭和初期頃までは有色犬も多く存在していました。
また元来は白・虎・胡麻のほかに斑毛のものも多く見られたが、天然記念物に指定された1934年以降、毛色の統一が図られた結果、斑毛のものは姿を消しました。

性格

非常に落ち着いた性格をしており、チャカチャカとはしゃぐようなところは少ないです。
まじめで主人に強い忠誠心をもち、飼い主や家族以外には慣れない傾向があります。
よそ者を警戒する性質を持つため、番犬に非常に適していますが、威嚇よりも先に攻撃する傾向があるので、注意が必要です。

体重  13~27kg 
体高  43~55cm 

紀州犬の健康

アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患に注意

紀州犬の平均寿命は、13〜15歳ほどです。

紀州犬は頑健で、好発疾患の少ない犬種でもありますが、先天的な心臓奇形である「心室中隔欠損」が起こることがあるとされています。

また、日本犬によくある「アトピー性皮膚炎」などの皮膚疾患が起こりやすいことがあるようです。

顎の力が強いことにより、歯の摩耗により、口内健康を損なう恐れがあるので、硬いものを噛ませすぎないように注意しましょう。

皮膚疾患の原因の一つでもある「甲状腺機能低下症」は、主に中年以降に甲状腺ホルモンの低下により起こります。

全身の代謝がうまくいかず脱毛や「肥満」などになり活気がなくなったりします。

紀州犬の食事

年齢や体調に合わせたフードを選びましょう

子犬の頃とシニア犬になった頃に必要とされるカロリーや栄養素は変わってきます。
また、食欲が旺盛な子にはカロリーバランスを考えて、低カロリーの食事を与える必要があります。

以上のように「子犬用」「成犬用」「シニア犬用」「体重管理用」など、年齢と目的に応じたフードを与えましょう。

愛犬に合ったドッグフードを探す

愛犬の健康を考える上で、食事の管理を大切です。
「太りすぎだな」と思ったら、低カロリーのフードにしなくてはいけません。
逆に年老いてきて、食欲が細くなったら、少ない量でもエネルギーを取れる老齢犬用のフードに替える必要があります。

下記は様々な犬用品を卸値に近い価格で提供してくれるサイトです。
参考までにどうぞ。

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紀州犬の運動

散歩は1回1時間以上、1日2回

非常に体力のある犬です。
運動不足ではストレスのため攻撃性を増してしまったり、扱いにくい性格になったりすることがありますので、散歩は1回1時間以上、1日2回以上しっかり行いましょう。
時には、ドッグランなどで思いっきり走らせてあげて下さい。

運動不足になるとストレスが溜まり、無駄吠えなどの問題行動の原因ともなりますので、毎日しっかりと運動を心掛けてあげて下さい。

紀州犬のしつけ

トレーニングは家族全員で

とても賢い犬種ですので、しつけ自体は難しくありません。
しかし、信頼していない相手には従わない傾向がありますので、トレーニングは家族全員で行うのが望ましいでしょう。

また、子犬の頃から他の犬や家族以外の人にも慣れるようにし、多くの経験と社会性を身に着けさせることが家庭で飼いやすい犬に育てるコツです。
家族と認めた子どもには愛情深く接しますが、家族以外では子どもも大人もあまり懐きませんので、注意が必要です。

しつけを怠って野放しにすると非常に攻撃的な性格になり、人間や犬に噛みつく危険性があります。

しつけの基本は必ず確認しましょう⇒犬のしつけの基本理論 完全ガイド
「おすわり」や「待て」など行動別のしつけ方法はこちら⇒犬の行動別しつけ方法

紀州犬の手入れ

換毛期は毎日ブラッシングを

紀州犬の被毛はダブルコートで下毛が多く、春と秋の換毛期はかなり大変です。
通常でも週に1~2回、換毛期は毎日ブラッシングをして、抜け毛を取り除いてあげましょう。 

シャンプーは1~2ヵ月に1回程度は行ってあげて下さい。

紀州犬の価格

約15万円が相場

紀州犬は、ペットショップで見かける事はまずありません。
もしも家族に迎え入れるのであれば、ブリーダーさんから直接購入する方法がメインとなります。
その際の値段ですが、約15万円ほどが相場です。

ブリーダーさんから直接購入する際は、必ず現地へ行き、飼育環境やブリーダーさんの人柄などを確認し、信頼できるかを見極めたうえで決定するようにしましょう。

まとめ

✔ しつけは社会性を身に付けるようにしましょう

紀州犬は警戒心が強く、あまりフレンドリーでもありません。
また、攻撃性も強いので、人や他の動物に危害を加えてしまう恐れもありますので、小さい子犬の頃から様々な人や他の犬と積極的に触れ合わせ、社会性を身に付けさせるようにしましょう。

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