青い悪魔「グフ」とも言うべき ケリーブルーテリア

特徴的な巻き毛と美しいブルーがかった毛色が印象的なケリーブルーテリア。
テリア種らしく警戒心が強くて、気性が荒いのも特徴で、機動戦士ガンダムの「グフ」のような犬種です。
飼い主に忠実な所も「グフ」のパイロットであった「ランバラル」を彷彿させます。

ケリーブルーテリア、その存在感と魅力的な外見で多くの人々を魅了する犬種です。
その特徴的な毛色としっかりとした筋肉、忠実で愛情深い性格は、多くの飼い主に深い絆を築きます。
しかし、ケリーブルーテリアは単なる可愛らしい外見だけではありません。

彼らは優れた仕事犬としての能力も持ち合わせています。そんなケリーブルーテリアの魅力と特徴に迫ってみましょう。
ここでは、ケリーブルーテリアの誕生した背景や歴史、性格や外見、手入れ方法や散歩の頻度、性質から見るしつけ方の詳細をまとめていますので、是非ご参考になさってください。

• ケリーブルーテリアの歴史
• ケリーブルーテリアの特徴
• ケリーブルーテリアの健康
• ケリーブルーテリアの食事
• ケリーブルーテリアの運動
• ケリーブルーテリアのしつけ
• ケリーブルーテリアの手入れ
• ケリーブルーテリアの価格
• まとめ

ケリーブルーテリアの歴史

警備犬や追跡犬の任務をこなしたアイルランドの国犬

ケリー・ブルー・テリアは、アイルランドのケリー州原産のテリア犬種で、「アイリッシュ・ブルー」とも呼ばれるケリー州原産の古いテリア種で、アイルランドの正式な国犬としても指定されています。

18世紀には存在していたとされていますが、さらに数世紀前に存在していたという説もあり、詳細は不明です。

命知らずと称されるほどの勇猛さと闘争心の強さから、警備犬や追跡犬の任務をこなしましました。
主に地中のネズミやカワウソ、さらにアナグマのようなどう猛な動物から畑を守る「地中猟犬」としてや、番犬や護畜犬としても活躍しました。

19世紀にショードッグとして登場すると、美しいブルーのコートが人気になりました。
アイルランドで最も人気な犬種の一つになりましたが世界大戦が勃発した影響などで、数は大幅に減少しましたが、戦後は性格面を含めた改良が行われ、少しずつ人気を取り戻しつつあります。

ケリーブルーテリアの特徴

警戒心が強く、番犬に適している犬種

ケリーブルーテリアの特徴を説明します。

1. 鮮やかな毛色:
   ケリーブルーテリアは美しいブルーがかったグレーの被毛が特徴です。
   この独特な毛色は彼らを一目で識別できる魅力的な特徴です。
   生まれたときはブラックで成長するにつれ徐々にブルーになっていきます。
   また、被毛はテリア犬種には珍しくシングルコートで、柔らかな巻き毛をしています。
   放っておくと伸び続けるので、トリミングが必要です。

2. 筋肉質な体格:
   ケリーブルーテリアは中型犬ですが、筋肉質で角ばった特徴的なしっかりとした体型をしています。
   そのため、力強く活動的な犬種として知られています。

3. 知性と忠誠心:
   ケリーブルーテリアは知識と忠誠心に溢れた犬種です。
   彼らは飼い主に対する強い絆を持ち、トレーニングや学習にも積極的です。

4. 家族への愛情:
   ケリーブルーテリアは家族を大切にする犬種です。
   彼らは家族との絆を築くことを喜び、常に愛情と忠誠心を示します。

5. 優れた仕事犬:
   ケリーブルーテリアはもともと牧羊犬として育てられた犬種です。
   彼らは優れた仕事犬としての能力を持ち、警戒心の強さや勇敢さがあります。

6. 適応力の高さ:
   ケリーブルーテリアはさまざまな環境に適応することができます。
   都会のアパートから田舎の広々とした敷地まで、さまざまな生活スタイルに適応することができます。

7. 活発で運動好き:
   ケリーブルーテリアは活発な性格であり、適度な運動が必要です。
   散歩やランニング、遊びを通じてエネルギーを発散させることが重要です。

8. 高い知覚力と警戒心:
   ケリーブルーテリアは優れた知覚力を持ち、周囲の状況を敏感に感じ取ることができます。
   また、警戒心が強く、家族や家の安全を守るために警戒態勢を取ることもあります。
   番犬に適している犬種といえます。

ケリーブルーテリアは、美しい外見と魅力的な性格を兼ね備えた犬種です。
彼らは家族との絆を大切にし、優れた仕事犬としても活躍できる能力を持っています。
愛情深い性格と活発な姿勢は、多くの飼い主に喜びと癒しをもたらします。

ケリーブルーテリアの健康

眼の疾患に注意が必要

ケリーブルーテリアの平均寿命は、12～15年ほどです。
ケリーブルーテリアの健康をサポートするためには、以下のポイントに留意しましょう。

1. 眼の疾患:
   気をつけたい病気は「白内障」「緑内障」「結膜炎」「眼瞼内反/外反」などの眼の疾患です。
   定期健診では目を重点的に診てもらってください。

2. 小脳アビオトロフィー:
   まれにケリーブルーテリア独特の疾患である「小脳アビオトロフィー」にかかることもあります。
   これは体の神経が少しずつ死んでいき全身の機能が衰えていく病気です。
   原因は「ウイルス感染」や「脳内出血」などが考えられますが、現在のところ、はっきり判っておらず、治療法もありません。

3. 適切な運動と活動量の管理:
   ケリーブルーテリアは活発な犬種ですので、適度な運動を提供しましょう。
   日常の散歩や遊び、ランニングなどを通じて適切な活動量を確保し、体力を維持しましょう。

4. 定期的な健康チェック:
   定期的な獣医の診察はケリーブルーテリアの健康管理に欠かせません。
   予防接種や健康診断を定期的に受け、早期発見・治療につなげましょう。

5. 心臓の健康管理:
   ケリーブルーテリアは心臓病になりやすい傾向があります。
   心臓の健康を確保するために、定期的な心臓検査や必要な場合の治療を受けましょう。

6. 歯のケア:
   歯の健康も重要です。
   定期的な歯磨きや歯の検査を行い、歯石や歯周病の予防に努めましょう。

これらの健康上の留意点を守ることで、ケリーブルーテリアの健康と幸福をサポートすることができます。
愛犬と一緒に健康的な生活を送り、長く愛情を分かち合いましょう。

ケリーブルーテリアの食事

年齢や体調に合わせたフードを選びましょう

ケリーブルーテリアの食事は健康維持に重要な要素です。
以下に、食事上の注意点を分かりやすく説明します。

1. 高品質なドッグフードの選択:
   ケリーブルーテリアには栄養バランスの整った高品質なドッグフードが必要です。
   肉や魚、野菜、穀物などの栄養素がバランスよく含まれているフードを選びましょう。

2. 適切な食事量の管理:
   ケリーブルーテリアは肥満になりやすい傾向がありますので、食事量の管理が重要です。
   獣医の指示や成犬用の指標を参考に、適切な量を与えましょう。

3. 食事の頻度とタイミング:
   成犬の場合、通常は1日2回の食事が推奨されます。
   食事の時間は一定にし、規則正しい生活リズムを作りましょう。

4. 特別な食事制限:
   ケリーブルーテリアは特定のアレルギーを持つ場合があるため、食物アレルギーの症状が見られる場合は、獣医師と相談して特別な食事制限を検討しましょう。

5. 適切な水の提供:
   水は愛犬の健康に不可欠です。常に新鮮で清潔な水を愛犬に提供し、水の交換や洗浄を定期的に行いましょう。

6. 食事の変更と移行:
   食事を変更する際は、急激な変化ではなく徐々に移行させることが重要です。
   消化器系のストレスや消化不良を防ぐため、新しい食事に慣れるまで数日かけて切り替えましょう。

これらの食事上の注意点を守ることで、ケリーブルーテリアの健康と体調管理をサポートすることができます。
獣医の指導や個々のニーズに合わせた食事プランを作り、愛犬の健康を最優先に考えましょう。

ケリーブルーテリアの運動

1回1時間以上、1日2回の早足散歩

毎日かなりの運動量が必要です。
1回60分程度を1日2回、早足での散歩や、ドッグランなど安全な場所での自由運動がおすすめです。
しかし、飛び出してきた動物を追いかけてしまったり、相性の悪い犬とケンカになったりすることもありますので、注意が必要です。

散歩を飼い主が怠ってしまうと愛犬にストレスが溜まり、攻撃的な性格になってしまいます。
運動不足になるとストレスが溜まり、無駄吠えなどの問題行動の原因ともなりますので、毎日しっかりと運動を心掛けてあげて下さい。

ケリーブルーテリアのしつけ

頑固な面があるのでしつけは簡単ではない？

ケリーブルーテリアは状況判断能力に優れている賢い犬ですが、頑固な面があるのでしつけは簡単とは言えません。
じっくりと信頼関係を築き、一貫したしつけをしてください。
気の強い性格なので、力で抑え込むようなしつけは絶対にやめてください。
ほめて育てることを基本に、いけないことをした時は威厳をもって接するようにします。

また、小さい子犬の頃から様々な人や他の犬と積極的に触れ合わせ、社会性を身に付けさせるようにしましょう。

愛犬がしつけをマスターしていくと、ついつい「できて当然」と思ってしまいがちになります。
そうなるとしつけができても全く褒めなくなってしまうでしょう。
でも、これでは犬たちもしつけを忘れてしまう可能性もありますので、毎回ご褒美を与える必要はありませんが、しつけができた時には、褒めてあげるなどの気持ちを伝え続けることを忘れないようにしてください。

しつけの基本は必ず確認しましょう⇒犬のしつけの基本理論　完全ガイド
「おすわり」や「待て」など行動別のしつけ方法はこちら⇒犬の行動別しつけ方法

ケリーブルーテリアの手入れ

1週間に2～2回のブラッシング

シングルコートですので手入れは難しくありません。
被毛の手入れは1週間に2～2回のブラッシングをすれば十分でしょう。
また、1～2ヵ月に1回程度のトリミングが必要です。

シャンプーは月に1～2回を目安に行うようにしましょう。

ケリーブルーテリアの価格

30万円程度が相場

ケリーブルーテリアは、ペットショップで見かける事はまずありません。
もしも家族に迎え入れるのであれば、ブリーダーさんから直接購入する方法がメインとなります。
その際の値段ですが、30万円程度が相場と言えるでしょう。

ブリーダーさんから直接購入する際は、必ず現地へ行き、飼育環境やブリーダーさんの人柄などを確認し、信頼できるかを見極めたうえで決定するようにしましょう。

まとめ

✔ 「ブルーデビル」と言われる気性の荒さ？

ケリーブルーテリアは、かつて「ブルーデビル」と言われるほど攻撃的で、気性が激しかったのは事実です。ただ、現在では改良されて、昔ほどの気性の荒さはありません。
とは言っても、昔に比べればという話で、やはり比較的気性の荒い犬種です。

もし、家族に迎え入れるのであれば、小さい頃から多くの人や動物と触れ合わせ、社会性を身に付けさせましょう。