耳を掻く、気にする

もしも愛犬が耳を掻いたり、気にする素振りをしたら~外耳炎や耳腫瘍などの疑いアリ~

「うちの愛犬がよく耳を掻くな」、「うちの子が耳を気にする仕草をよくするわ」と感じたら、要注意です!
もしも愛犬がしきりに耳を掻くなど気にする場合、下記の疾患が疑われます。

外耳炎

犬の外耳炎(がいじえん)とは、音の通り道である耳介から鼓膜までの外耳道(がいじどう)に炎症が発生した状態で、「外耳道炎」とも呼ばれます。

犬の外耳道には、耳のひらひら部分(耳介)から垂直方向に降りる縦穴のような「垂直耳道」と、垂直耳道の突き当りから水平方向に伸びる横穴のような「水平耳道」があります。
外耳道の炎症」とは、垂直か水平どちらか、もしくは両方の耳道に炎症が発生した状態のことです。
外耳道の表面を構成しているのは、皮膚の最上部に当たる「表皮」(ひょうひ)、表皮の下で皮膚の形状を維持する「真皮」(しんぴ)、そして「アポクリン腺」と呼ばれる分泌腺などです。

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内耳炎

耳の構造は外側から外耳、中耳、内耳に分けらています。
犬の内耳炎とは、耳の奥にある内耳と呼ばれる部位に炎症が発生した状態のことです。

内耳は聴覚に関わる「蝸牛」(かぎゅう)という器官と、バランス感覚に関わる「三半規管」(さんはんきかん)という器官から構成されており、聴覚と平衡感覚に関係する神経が伸びてきています。

「蝸牛」は「蝸牛神経」を通して音を脳に伝えます。
「三半規管」は「前庭神経」(ぜんていしんけい)を通して体の位置情報を脳に伝えるのが役割です。
両方を合わせて「内耳神経」(ないじしんけい)、もしくは「第八脳神経」といいます。
内耳炎の症状は、蝸牛神経と前庭神経のどちらに炎症が発生したかによって違ってきます。
内耳炎でみられる神経症状は、他の重大な病気の可能性も考えられますので、状況によりさまざまな検査の実施を行う必要があります。

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耳疥癬(じかいせん)

犬の耳疥癬(みみかいせん)とは、耳の中でダニが繁殖した状態を言います。「耳ダニ症」とも呼ばれます。

犬の耳に寄生するのは主としてミミヒゼンダニと呼ばれる体長0.3mm~0.5mmのダニです。紛らわしいものとして疥癬を引き起こすイヌセンコウヒゼンダニがいますが、こちらが全身に寄生するのに対し、ミミヒゼンダニは主に耳の中に寄生するという特徴があります。
栄養源は耳の中の耳垢や傷ついた皮膚のカサブタ、リンパ液、血液などです。イヌセンコウヒゼンダニのように皮膚を食い破って中に侵入することはないものの、耳垢を分泌する腺組織を刺激するため、耳の中が次第に耳垢とダニの排せつ物で埋め尽くされていきます
かゆみを引き起こしているのは、ダニが血を吸うときに付けた小さな傷と、その傷口に集まってきた免疫細胞が放出する各種の化学物質です。

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耳腫瘍

犬の耳腫瘍(みみしゅよう)とは、耳のひらひら部分や耳の穴の中に腫れ物ができた状態のことです。

耳の穴である「外耳道」の表面は、皮膚の最上部に当たる「表皮」(ひょうひ)、表皮の下で皮膚の形状を維持する「真皮」(しんぴ)、そして「アポクリン腺」と呼ばれる分泌腺などから構成されています。
腫瘍はこれら全ての組織から発生する可能性があり、その性質によって「良性」と「悪性」とに分類されます。「悪性」とは、異常な細胞分裂を繰り返して他の臓器に支障をきたすようなタイプのことです。

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