便に血が混じっている(血便)

目次

もしも愛犬の便に血が混じっていたら~レプトスピラ症や血小板減少症などの疑いアリ~

「愛犬の便に血が混じっているな」、「大変!うちの愛犬が血便をしているわ」と感じたら、要注意です!
もしも愛犬の便に血が混じっている場合、下記の疾患が疑われます。

レプトスピラ症

犬のレプトスピラ症とは、レプトスピラ属(Leptospira)の細菌の中で病原性を持った病原性レプトスピラによって引き起こされる感染症です。
 
レプトスピラは、らせん状の体を特徴とした「スピロヘータ」と呼ばれる細菌の一種で、体の両端がフックのように曲がりくねっています。
人を含めさまざまな哺乳類に感染する人獣共通感染症(ズーノシス)の1つでもあります。
感染症法では四類感染症に指定され、また家畜伝染病予防法では届出が義務化されています。

発症すると肝臓や腎臓などに障害を受け、黄疸(おうだん)や出血、腎炎などの症状が現れます。
最悪の場合は数時間で死に至ることも恐ろしい病気です。

人間における感染例は、ブラジル、ニカラグア、フィリピン、タイといった亜熱帯地方が中心ですが、日本でも河川を通じた集団感染が確認されていますので、決して油断はなりません。

治療法や症状の詳細はこちら

胃潰瘍

犬の胃潰瘍(いかいよう)とは、胃壁を深く損傷し、胃の粘膜が傷ついてでこぼこになった状態のことです。
胃潰瘍には、ゆるやかに経過する慢性と突然発症し急激に進行する急性があり、症状も軽度なものから最悪の場合、命を落とす可能性のあるものまで様々です。
医学的に「びらん」(erosion)とは組織の損傷が粘膜層にまで達した状態を指し、「潰瘍」(かいよう, ulcer)とは、器官の表面を覆う上皮組織が欠損し、その下にある組織にまで至った状態を指します。
ですから「胃潰瘍」と言った場合は、胃の表面を覆う粘膜層が何らかの理由で欠損し、さらに下にある粘膜下層や筋層にまで達してしまった状態ということになります。
胃潰瘍の好発部位は、胃袋の入り口付近にある「胃底部」と、出口付近にある「幽門洞」です。

治療法や症状の詳細はこちら

熱中症

犬の熱中症とは、上がりすぎた体温をうまく下げることができず、体中の機能が低下してしまった状態のことです。
平熱が37.5~39.2℃の犬においては深部体温(直腸温)が41℃を超えた場合に熱中症と診断されます。
41℃を超えると熱によって脳にまでダメージが及び始め、43℃を超えると体中の様々な器官が機能不全に陥って急激に死亡率が高まります。

治療法や症状の詳細はこちら

血小板減少症

犬の血小板減少症(けっしょうばんげんしょうしょう)は、血液中に存在する小さな細胞である血を固める作用を持つ血小板の数が病的に減ってしまった状態を言います。
治療が遅れると重症になることもあるため、早期発見・治療が重要です。
 血小板(けっしょうばん)とは、血液に含まれる細胞成分の一種で、出血が起こったときに出血した部位に集まって止血する役割を担っています。
正常な状態では、毎日作り出される血小板の数と除去される血小板の数とが釣り合っており、大きな数の増減はありません。
しかし何らかの理由によって血小板の生産量が低下したり、除去する量が増加したりすると、血液中の血小板数が病的に少なくなって様々な症状を示すようになります。

治療法や症状の詳細はこちら