陽気で愛らしい「ザ・愛玩犬」 ビションフリーゼ
スペインの宮廷画家である絵画の巨匠のゴヤの作品にも描かれるほど、上流社会において寵愛を欲しいままにしてきたビジョンフリーゼ。
ビションフリーゼは、そのふわふわのコートと愛くるしい笑顔で人々を魅了する小型犬種です。
癒し効果抜群のその姿は、だれもが一度は抱きしめたくなるほどの可愛さが詰まっています。
友好的で明るい性格は家族に愛される理由のひとつであり、アレルギーが少ない被毛は飼い主にも優しい特徴です。
この魅力溢れるビションフリーゼの歴史や性格、ケア方法について知りたくはありませんか?
ビションフリーゼの世界へ一緒に旅立ちましょう!
ここでは、ビションフリーゼの誕生した背景や歴史、性格や外見、手入れ方法や散歩の頻度、性質から見るしつけ方の詳細をまとめていますので、是非ご参考になさって下さい。
- ビションフリーゼの歴史
- ビションフリーゼの特徴
- ビションフリーゼの健康
- ビションフリーゼの食事
- ビションフリーゼの運動
- ビションフリーゼのしつけ
- ビションフリーゼの手入れ
- ビションフリーゼのカットスタイル
- ビションフリーゼの値段
- まとめ
ビションフリーゼの歴史
アンリ3世にも愛された犬種
ビションフリーゼは、フランス原産で、「ビション」は小さい、「フリーゼ」は巻き毛という意味です。
ビションフリーゼは、地中海地域を起源とする古い犬種で、その歴史は数百年前までさかのぼります。
ビション犬種の一つで、ビション・フリーゼは他に「ボロニーズ」「ハバニーズ」「マルチーズ」と兄弟関係にあります。
ビションフリーゼの祖先は、おそらくスペインやイタリアで発展したとされており、14世紀にはこの犬種がフランスやベルギーにも広がっていました。
当時の貴族たちに愛され、王室で飼われることが多かったと言われています。
地中海沿岸で「バルビー」と呼ばれていた大型のウォータードッグと、「マルチーズ」などの白い小型犬を掛け合わせて作らとされています。
この掛け合わせは「バービションズ」という系統として確立され、さらに「ビション・マルチーズ」「テネリフェ」「ボロニーズ」「ハバニーズ」の4種類に分けられましたが、その中で船乗りがカナリア諸島のテネリフェ島に持ち込んだとされている「テネリフェ」が後のビション・フリーゼとほぼ同じ犬種とされています。
16世紀にはフランスに渡り、フランソワ1世やアンリ3世などの貴族たちの愛玩犬として愛されました。
18世紀にはフランスの王室で飼われることが多く、ルイ16世のマリー・アントワネットやナポレオン3世の妻であるウジェニー皇后がビションフリーゼを愛したことで有名です。
しかし、それまで上流階級の人々に愛されてきたビションフリーゼは、フランス革命の際に貴族の犬と言う事で、処分されてしました。
19世紀にはフランス革命によって貴族が没落し、ビションフリーゼは一般市民にも広がりました。彼らはサーカスや屋台でパフォーマンスを行う犬としても活躍し、多くの人々に愛される存在となりました。
20世紀に入ると、ビションフリーゼはアメリカやイギリスにも広まり、1971年にアメリカンケネルクラブに公認されるようになりました。現在では世界中で飼われる人気の犬種となっています。
第一次世界大戦の頃には、貴族の庇護が無くなった事により、様々な犬種との交配がなされ、純血種が極端に減ってしまい、絶滅の危機に瀕しました。
しかし、後に数人のフランス人繁殖家たちがビション・フリーゼの救済運動に乗り出し、1933年、正式に「ビション・プワル・フリーゼ」と命名されました。
ビションフリーゼの特徴
初めて会う人や動物にもフレンドリー
ビション・フリーゼは、その見た目と性格から愛される魅力的な犬種です。
以下にその主な特徴を分かりやすくまとめました。
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外見:
ビション・フリーゼは小型犬で、体高は約23〜30cm、体重は5〜10kg程度です。
小型犬ではありますが、その中でも比較的大きいサイズとなります。
体型はやや胴長短足です。
白いカールした被毛が特徴で、ふわふわとした雲のような外見が魅力的です。 -
被毛:
被毛はダブルコートで、柔らかくて伸縮性のあるカールした毛で、アレルギーが少ないことで知られています。
抜け毛はダブルコートではあるものの、少なめです。
ただ、定期的なブラッシングやトリミングが必要です。 -
性格:
ビション・フリーゼは愛嬌があり、陽気で活発な性格です。
家族に対しては愛情深く、人懐っこいため、他のペットや子供とも仲良くできます。
人見知りをせず、誰とでもフレンドリーに接する事が出来るので、番犬には向いていませんが、来客な多い家や多頭飼いにも向いています。 -
知能:
高い知能を持っており、しつけがしやすい犬種です。
また、元々サーカスで活躍していた経験から、トリックやアジリティにも向いています。
以上のように、ビション・フリーゼは外見や性格、知能が魅力的で、家庭で飼うには理想的な犬種です。
ただし、被毛の手入れや適度な運動が必要なため、その点に注意して飼育しましょう。
外見 |
・体重は5kg ~10kgで個体差が大きい犬種 |
性格 |
・陽気で、初めて会う人や動物を問わずにフレンドリー |
体重 | 5 ~10kg |
体高 | 約23〜30cm |
ビションフリーゼの健康
とても健康的な犬種
ビションフリーゼの平均寿命は12〜15歳ほどです。
よく間違えられるマルチーズは体が弱い傾向がありますが、ビションフリーゼは健康的な犬種ですが、いくつかの健康上の注意点があります。
以下にその主な点を分かりやすくまとめました。
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アレルギー:
ビション・フリーゼは「皮膚アレルギー」や「食物アレルギー」にかかりやすい傾向があります。アレルギー症状に気付いたら、すぐに獣医師に相談しましょう。 -
膝蓋骨脱臼:
膝のお皿がずれてしまう「膝蓋骨脱臼」には注意が必要です。
小型犬によく見られる膝関節の問題で、脱臼しやすくなっています。
遺伝的要素が関与するため、繁殖時には健康な親犬を選ぶことが重要です。
滑りやすいフローリングなどは、マットや絨毯を敷くなど、滑りにくくしてあげて下さい。 -
歯周病:
小型犬特有の問題で、歯が詰まりやすく「歯周病」になりやすいです。
定期的な歯磨きや歯科検診を行い、口腔内の健康を維持しましょう。 -
涙やけ:
涙の分泌が多いため、目の周りに赤茶色のシミができることがあります。
適切な目の手入れや涙やけ用のプロダクトを使用して、涙やけを予防しましょう。 -
外耳炎:
垂れ耳ですので、耳垢がたまりやすく、「外耳炎」になりやすいです。
定期的な耳掃除を行い、耳の健康を保ちましょう。
これらの健康上の注意点に気を付けながら、適切なケアを行い、ビション・フリーゼの健康を維持しましょう。
定期的な獣医師の検診も大切です。
ビションフリーゼの食事
年齢や体調に合わせたフードを選びましょう
ビション・フリーゼの食事に関して注意すべきポイントは以下のとおりです。
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栄養バランス:
高品質なドッグフードを選び、犬の年齢、体重、活動量に合わせた適切な量を与えましょう。タンパク質、脂質、繊維、ビタミン、ミネラルがバランスよく含まれた食事が必要です。 -
適切な量:
過剰な摂取は肥満につながるため、適切な量を与えることが大切です。1日の食事量を2~3回に分けて与えると、消化にも良いです。 -
アレルギー対策:
ビション・フリーゼはアレルギーになりやすいため、食物アレルギーの兆候に注意しましょう。アレルギーが疑われる場合は、獣医師に相談し、適切な食事プランを立てましょう。 -
歯周病予防:
歯周病になりやすいので、ドライフードを与えることで歯垢の除去を助けることができます。また、歯磨き用のおやつやガムを与えることで、口腔内の健康維持に役立ちます。 -
新鮮な水:
常に新鮮な水を用意し、適切な水分補給を促しましょう。特に暑い日や運動後は、水分補給が重要です。
これらの留意点を守りながら、ビション・フリーゼの健康をサポートする食事を提供しましょう。また、定期的な獣医師との相談も大切です。
ビションフリーゼの運動
毎日30分以上の散歩
ビションフリーゼは小型犬ですが、意外と体力はありますので、ある程度の運動を必要とします。
運動不足になると、ストレスを溜めてしまい、イタズラや自傷行為などの問題行動の原因になる可能性もあります。
運動が大好きなので、ストレス解消も兼ねて毎日30分以上の散歩はしてあげて下さい。
ただ、毛量が多いので暑さに弱く、夏などの暑い時期は早朝や夕方などの比較的涼しい時間を選びましょう。
ビションフリーゼのしつけ
しつけは簡単?
従順で明るい性格であり、賢く人懐こいため、しつけは難しくありません。
吠える事も少なく、とても飼いやすい犬種と言えます。
きつく叱らずに、ほめて伸ばす方法でしつけましょう。
また、小さい子犬の頃から様々な人や他の犬と積極的に触れ合わせ、社会性を身に付けさせるようにしましょう。
愛犬がしつけをマスターしていくと、ついつい「できて当然」と思ってしまいがちになります。
そうなるとしつけができても全く褒めなくなってしまうでしょう。
でも、これでは犬たちもしつけを忘れてしまう可能性もありますので、毎回ご褒美を与える必要はありませんが、しつけができた時には、褒めてあげるなどの気持ちを伝え続けることを忘れないようにしてください。
しつけの基本は必ず確認しましょう⇒犬のしつけの基本理論 完全ガイド
「おすわり」や「待て」など行動別のしつけ方法はこちら⇒犬の行動別しつけ方法
ビションフリーゼの手入れ
毎日ブラッシングを
被毛の手入れは、抜け毛は少ないですが、毛玉ができやすいので、できれば毎日ブラッシングを行って下さい。
ブラッシングをして、下毛にも空気を入れてあげましょう。
目や口の周りは汚れやすいので、湿らせて絞ったコットンやペット用のウエットシートでこまめに拭いて清潔を保ちましょう。
また、垂れ耳ですので、定期的に耳掃除を行って下さい。
耳掃除を怠ると、「外耳炎」になる可能性があります。
ビションフリーゼのカットスタイル
色々なスタイルを楽しみましょう
時折、カットスタイルを変えると、愛犬の可愛さを再認識できるでしょう。
ここでは、代表的なカットスタイルをまとめましたので、是非ご参考になさって下さい。
サマーカット
全体的に被毛を短くするカットスタイルです。
日常のお手入れが非常に楽になる事もあり、年間を通して人気のカットスタイルです。
ただ、皮膚が紫外線などの影響を受けやすくなり皮膚疾患リスクが高くなるというデメリットもあります。
テディベアカット
定番のカットスタイルです。
顔全体を丸くし、耳も丸くカットします。
体も全体的に長めでふんわりとした丸みを帯びたカットで、ぬいぐるみのような雰囲気になります。
足は短く太く見えるようにすると、より可愛く見えます。
ライオンカット
遊び心のあるスタイルです。
体全体の毛は短くカットし、胸まわりから顔にかけてはライオンのたてがみのように長めにします。
しっぽの先の毛も長めに残してカットします。
体全体はかなり短めになるので、夏場でも良いでしょう。
小さな体でライオンのような雰囲気なのに、顔が可愛いというアンバランスさが周りの注目を惹くでしょう。
アフロカット
頭の毛を長めに残し、ふわふわとしたボリュームを持たせるスタイルです。
それにより、クリっとした目も強調され、とても可愛くなります。
体の部分は短めにカットする事で、アフロが際立ちます。
ビションフリーゼの値段
20~25万円が相場
ビションフリーゼは、ペットショップでもたまに見かける事はありますが、その際の価格相場20~25万円程度となります。
確実に家族に迎え入れるのであれば、ブリーダーさんから直接購入する方法があります。
その際の価格相場もペットショップの相場と大差ありません。
ただ、ブリーダーさんから直接購入する際は、必ず現地へ行き、飼育環境やブリーダーさんの人柄などを確認し、信頼できるかを見極めたうえで決定するようにしましょう。
まとめ
✔ とても飼いやすい犬種
✔ 意外にも体力があり、運動好き
ビション・フリーゼは、愛らしい外見と陽気な性格を持つ小型犬種で、優れた家庭犬として親しまれています。
誰とでも仲良く出来るフレンドリーさがあり、飼い主に従順ですので、非常に飼いやすい犬種と言えます。
モコモコの見た目から運動が苦手と思われがちですが、意外にも運動が好きで、体力も結構あります。
ですので、毎日30分程度は散歩に連れ出してあげましょう。
甘えん坊ですので、散歩以外でも部屋の中で一緒に遊んであげて下さい。
健康面では、アレルギーや膝関節の問題、歯周病に注意が必要です。
定期的な健康チェックと適切なケアが大切です。食事は、栄養バランスの良い高品質なドッグフードを適量与え、アレルギーや肥満に気を付けましょう。
歯周病予防や水分補給も重要です。
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