犬の前庭神経炎(ぜんていしんけいえん)

 脳神経の一種である前庭神経(ぜんていしんけい)に炎症が発生し、主に平衡バランス感覚が障害を受けた状態を言います。

 犬の耳の奥には「内耳」と呼ばれる部分があり、そこにカタツムリのような形をした「蝸牛」(かぎゅう)と呼ばれる器官と、プレッツェルのような形をした、「三半規管」(さんはんきかん)が、骨の中にすっぽりと収まっています。「蝸牛」には「蝸牛神経」がつながっており、音を脳に伝える役割を果たしています。一方、「三半規管」には「前庭神経」(ぜんていしんけい)がつながっており、体の位置情報を脳に伝える役割を果たしています。この2つを合わせたものが「内耳神経」(ないじしんけい, 第8脳神経)です。「前庭神経炎」といった場合は、内耳神経のうち、主に「前庭神経」の方に炎症が発生し、頭や体の位置を適正にコントロールできなくなった状態のことを意味します。

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主な症状
☆意味もなく頭をかしげる
☆ぐるぐる回る
☆ふらふら歩く
☆横に倒れる
☆眼球があちこち動く(眼振)

犬の前庭神経炎の主な原因

  • 耳の奥にある内耳で発生した炎症が、前庭神経に波及することで発症します。 外耳炎中耳炎内耳炎のほか、耳腫瘍などが原因として挙げられます。
  • 炎症の原因が不明の事もしばしばです。ストレス、環境、外気圧など、様々な要因が複合した可能性が考えられます。8歳を超えた老犬に多いことから、老化現象が何らかの関わりを持っていることも考えられます。
 

 前庭神経炎と非常に似通った症状を示すもので、小脳内で発生した虚血性発作や微小梗塞が原因の場合もございます。原因が判然としない場合は、考慮する必要があるでしょう。

 

犬の前庭神経炎の主な治療法

  • 症状の軽減を目的とした治療が施されます。具体的には副腎皮質ホルモン薬やビタミン、抗めまい薬などが投与され、およそ1週間程度で回復に向かいます。またふらふらと歩いて危険なため、症状が出ている間は散歩を控えたり、危険な場所を避けながら散歩するよう配慮します。
  • 外耳炎中耳炎内耳炎など、他の疾患が明らかな場合は、まずそうした疾患の治療が管理されます。

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