犬の破傷風(はしょうふう)

 破傷風菌(Clostridium tetani)によって引き起こされる細菌感染症です。
 ヒトにも他の動物にも感染する人獣共通感染症(じんじゅうきょうつうかんせんしょう)の一つであり、日本では感染症法によって、診断した医師は7日以内に最寄りの保健所に届け出ることが義務化されています。ヒトへの感染例に関しては、先進国では三種混合ワクチン等が普及した影響で少ない一方、発展途上国では新生児のへその緒の不衛生な切断による「新生児破傷風」が多数報告されています。なお、犬から犬、犬から人というように、個体から個体へ感染するということはありません
 破傷風菌は哺乳動物の腸管内に見られるありふれた細菌ですが、傷口に付着してしまうとそこで芽胞を形成し、「テタノスパスミン」と呼ばれる強力な毒素を産出するようになります。そしてこの毒素が運動神経と中枢神経にダメージを与え、様々な症状を引き起こします。潜伏期には数日~数か月と大きな幅がありますが、おおむね感染から10~14日後です。

主な症状
☆頭の片側だけにおこるけいれん(まぶたのひきつり・鼻の穴が広がる・口をあけられない)
☆眼球陥没と第三眼瞼の露出
☆首の強直
☆四肢の強直やけいれん
☆音・光・振動への過敏
☆呼吸困難
☆死亡(のどや呼吸菌の痙攣)

 

犬の破傷風の主な原因 

  • 土壌中に存在する破傷風菌は、犬の体表が土に触れたときに傷口から侵入します。傷口は骨折部や裂傷など大きなものから、擦り傷ややけどなど小さなものまで様々です。破傷風の症状はあるけれども、傷口は見つからないといった現象もよく起こります。

 

犬の破傷風の主な治療法

 硬直した四肢は通常1週間ほどで元に戻りますが、神経に結合した毒素の量が多い場合は3~4週間かかることもあります。

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  • 傷口と全身にペニシリンを投与したり、毒素を中和するために抗毒素血清を用いたりします。なお人間において外傷後に用いられる破傷風トキソイドは、犬や猫においては推奨されていません
  • 症状の軽減を目的とした各種の治療が施されます。栄養剤を投与して食事の代わりとしたり、強直や痙攣を緩和するため、鎮静薬が用いられたり。呼吸困難が起こった場合は酸素吸入なども行われます。

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