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犬の歯周病

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 歯の表面などで細菌が毒素を産生し、歯茎や骨に炎症が起こった状態を言います。

主な用語 意味
☆菌膜 菌膜(きんまく, ペリクル, エナメル薄膜)とは、歯を磨いた直後から歯の表面に形成される薄い膜のことで、構成成分は唾液に含まれるタンパク質や糖タンパク、および歯肉から出される分泌液などです。
☆歯垢  歯垢(しこう, プラーク)とは細菌コロニーに唾液に含まれる糖タンパク、細胞外の多糖類、上皮細胞、炎症細胞などが加わってできた、ネバネバした塊のことです。舌の運動や飲水では容易に除去できませんが、機械的・化学的方法では除去が可能という性質を持っています。
☆歯石  歯石(しせき, ターター)とはプラークと歯肉の溝から放出されるカルシウムやリン酸塩が結合し、石灰化して硬くなったものです。余りにも大きくなった場合は自然に壊れて剥がれ落ちることもありますが、基本的に除去することは困難です。
☆歯肉  歯肉(しにく)とは歯の根元を覆うピンク色の上皮組織です。外から見える部分は歯茎と呼ばれます。
☆歯周組織  歯周(ししゅう)とは歯の周りにある歯根膜、歯槽骨、歯肉など全てを総括する表現です。
☆歯槽膿漏  歯槽膿漏(しそうのうろう)とは、炎症によって生じた膿が歯槽に排出された状態です。大変な悪臭を放ちます。
☆炎症  炎症(えんしょう)とは異物を排除しようとする血液によるの防御機構です。発赤、腫脹、疼痛、発熱を4大徴候としています。

 

犬の歯周病の進行段階

第1段階:歯周病の始まりは「菌膜」からです。菌膜は口の中を保護したり潤いを保つ働きをしますが、時間が経つとそこに細菌成分が加わるようになり、歯の表面を覆うエナメル質1平方ミリメートルあたり100万個にまで増殖します。このようにしてできた細菌のコロニーが歯垢の土台となります。
第2段階:歯垢は、菌膜が歯の表面に付着してから約24時間で形成されます。歯磨きなどを通して機械的な刺激を与えると容易に剥がれ落ちるものの、歯と歯茎の隙間にある「歯周ポケット」と呼ばれる部分に食べかすなどがたまると、きれいに除去することは困難です。口の中にとどまった歯垢の中では数百種類の細菌が繁殖し、その中の一部は毒素を放出します。そしてこの毒素による攻撃と、毒素を排除しようとする免疫細胞の攻撃の両方が、歯肉組織を刺激し、徐々に炎症が進行していきます。これが「歯肉炎」です。
第3段階:歯垢が長時間放置されると、石灰化が進んで歯石が形成されます。歯垢から歯石が形成されるまでには、一般的に2~3日あれば十分です。歯石の表面はデコボコしているので歯垢が付きやすく、放置された歯石の表面にさらに歯垢が蓄積するという悪循環を招きます。仮に除去したとしても、歯の表面に薄い膜が残っているため、再び石灰化してすぐに復活してしまいます。

主な症状
☆歯茎の赤み
☆口が臭い(腐敗臭)
☆歯茎からの出血
☆歯がぐらぐらする
☆歯が長くなったように見える
☆食べるのが遅い
☆嘔吐(尿毒症による)
副鼻腔炎の併発
☆心臓、腎臓、肝臓、肺への悪影響

 

犬の歯周病の主な原因 

  • 犬が固いものや尖ったものをかんだりすると、歯茎に傷がつくことがあります。この傷から炎症が広がり、歯茎に歯肉炎が発生するというパターンです。この場合、傷が治れば歯肉炎も治まることがほとんどです。
  • 口の中の衛生状態が悪いと、歯の間に挟まった食べカスや歯の表面に付着した歯クソを栄養源として、細菌が繁殖します。繁殖した細菌は歯垢と呼ばれる肉眼でも確認できる塊になり、周囲の組織に炎症を引き起こします。口の中に食べかすが残るのは、ウェットフードなど柔らかくて粘着度が高いものばかり食べていたり、飼い主が歯磨きを怠るなどのことが主な要因です。
  • 犬の歯周病はグラム陰性の嫌気性桿菌による反復的な歯周組織の炎症が原因であり、特に小型犬に発生しやすいという結果が出ています。「加齢」と「小型犬」という要素は、歯周病の発症と深く関わっています。

犬の歯周病の主な治療法 

  • 歯の表面で歯垢が硬く石灰化した歯石を除去して、炎症の大元を根絶やしにします。麻酔を掛けずに行うと犬が暴れて怪我をしたり、治療効果自体が中途半端になってしまうため、多くの場合、全身麻酔をした上で、獣医さんがスケーリング(歯石はがし)を行います。用いられるのはスケーラーと呼ばれる金属器具や超音波などです。その他、歯石の土台を完全に取り去るために研磨(ポリッシング)を行ったり、歯石の再付着を遅らせるためコーティングなどが行われることもあります。デンタルクリーニングにどこからどこまでが含まれるのかに関しては、事前に担当獣医さんにご確認ください。
  • やわらかくて歯の間に残りやすいウェットフードばかり与えている場合、もう少し固いものに切り替えます。これは、咀嚼回数を増やすことで唾液の量を増やし、歯の表面に付着した菌膜を洗い流す効果を高めるためです。また食後の歯磨きを習慣化することも重要です。
  • 糖尿病など別の疾病によって歯周病が引き起こされている場合は、まずそれらの基礎疾患への治療が施されます。
  • 歯周病が他の病気を併発している場合は、それらの症状の軽減を目的とした治療が施されます。

 

 

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