なかなか寝付かない(不眠)

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もしも愛犬がなかなか寝付かなかったら~不眠の背後に隠れる原因

「愛犬がなかなか寝ようとしてくれないな」、「寝ていてもすぐに起きてしまうわ」と感じたら、要注意です!
愛犬との共に過ごす時間は、飼い主にとっての大きな安らぎのひとときです。
しかし、愛犬がなかなか寝付かない、夜中に鳴き声をあげる、寝る姿勢を取ることができないといった異常行動を示すと、心からの安心が一変し、不安や心配に変わってしまいます。
愛犬の不眠の背後には、単なる生活習慣の乱れから、特定の疾患まで様々な原因が考えられます。

ここのページでは、愛犬がなかなか寝付かない場合に疑われる疾患や、その対処法について詳しく解説します。
愛犬の健康と安心のための情報を手に入れ、日常の中での心地よい時間を取り戻しましょう。


  • ハエウジ症
  • 認知症

ハエウジ症

ハエウジ症は、特定のハエが犬の耳や体の開放傷に卵を産むことによって発生する皮膚疾患です。
これらの卵から孵化した幼虫は、犬の皮膚の表面や傷口で成長し、炎症や痛みを引き起こすことがあります。

犬がハエウジ症に感染すると、痒みや不快感から連続的に体の一部を掻く、噛む、または舐めることが増えます。
この行動が原因で寝付きが悪くなることがあるため、夜間の休息中にも愛犬が頻繁に体を掻く動きをすることが確認できます。

ハエには非常にたくさんの種類がいますが、ハエウジ症を引き起こすのは主として「ヒツジバエ科」に属する種です。
具体的には「ヒトヒフバエ」、「ウサギヒフバエ」、「ウシバエ」、「ウマバエ」、「イエバエ」、「ニクバエ」などがいます。
こうした種の中には、植物や腐敗物を好むものがいる一方、哺乳動物の皮膚に穴を掘って寄生し、そこで栄養分をかすめ取りながら生きるものもいます。
このときに発生するのが「ハエウジ症」です。以下は、日本国内における動物寄生性を持ったハエの代表格です。

  • ウシバエ 
    ウシバエやキスジウシバエが主にウシに寄生し、「ウシバエ幼虫症」を引き起こします。
    症状は皮膚の疼痛、脊髄への侵入、体内で死んだ幼虫に対するアレルギー反応などです。
    家畜伝染病予防法において届出伝染病に指定されています。
  • イエバエ 
    クロイエバエなどはウシやウマといった大型草食動物の体表に取りつき、傷口を見つけてそこから滲出体液を摂取します。

  • ニクバエ 
    センチニクバエ(クロニクバエ・ナミニクバエなど)は、動物の死体や傷口に卵を産み付け、そこで孵化した幼虫は皮膚の中にもぐりこみ、栄養をかすめ取りながら5~10日間成長を続けます。

この疾患は、特に暖かく湿気の多い季節や地域で多発する傾向があります。
感染を防ぐためには、愛犬の寝る場所を清潔に保ち、定期的なノミやダニの駆除を行うことが大切です。
また、疑わしい症状が見られた場合は、速やかに獣医師の診察を受けることが推奨されます。

治療法や症状の詳細はこちら

認知症

犬の認知症は、高齢の犬において行動や認知機能の変化として現れる疾患です。
これは、人間のアルツハイマー病と類似した症状を持つ神経変性疾患として知られています。

認知症を持つ犬は、夜間活動が増加し、昼夜が逆転することがあります。
これは、通常の睡眠リズムの乱れとして現れ、夜中に起きて歩き回る、吠えるなどの行動を取ることがあるため、寝付くのが難しくなります。
さらに、犬は習慣的な行動を忘れることがあり、トイレの場所を忘れたり、飼い主を認識しづらくなることも。

認知症の進行はゆっくりとしたものですが、早期に症状を認識し、適切な対応をすることで、愛犬の生活の質を向上させることができます。
疑わしい症状が見られた場合は、獣医師と相談し、適切なケアや治療を検討することが大切です。

治療法や症状の詳細はこちら

まとめ

愛犬がなかなか寝付かないときに疑われる疾患の概要は以下の通りです。

  1. ハエウジ症:寄生虫が犬の皮膚に侵入し、かゆみや不快感を引き起こします。これにより、犬が寝つきにくくなることがあります。

  2. 犬の認知症:高齢の犬に見られる神経変性疾患で、夜間活動が増加するなどの症状が現れます。昼夜が逆転し、夜中に活動的になるため、寝つきが悪くなることがあります。

これらの疾患は、愛犬の日常の生活や健康に影響を及ぼす可能性があります。
不眠や寝付きにくさの背後には、上記の疾患だけでなく、他の健康問題やストレス、環境の変化なども関与することが考えられます。
犬の行動や症状に変化がある場合は、早めに獣医師と相談することをおすすめします。