犬の抱っこしつけ:ステップバイステップガイドとヒント
愛犬との触れ合いの一環として、「抱っこ」は楽しいものであるべきですが、安全かつ効果的に行うためには、適切なしつけが必要です。
犬の抱っこのしつけの目的は、犬が人間の両腕に抱かれても嫌がったり暴れたりしないことです。
エレベーターに乗る際やケガをした時、事故や災害が発生した時など犬の身の安全を確保するときにも必要になります。
ここでは、犬の抱っこのしつけの詳細について詳しく説明します。
各犬種の特性や、犬が抱っこを受け入れるのに適した年齢、そして正しい抱き方など、犬の抱っこに関連する重要なトピックを網羅しています。
これにより、飼い主とペットの間に安全で快適な体験を提供し、犬との絆を深めるのに役立つ情報を提供します。
犬の抱っこのメリット・デメリット
抱っこのメリット
犬を抱っこすることには、いくつかの明確なメリットがあります。
ここでは、その主な利点について詳しく説明します。
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絆の強化:
まず第一に、犬を抱っこすることは、飼い主とペットとの間の親密さと信頼関係を強化する素晴らしい方法です。
抱っこは愛情の表現であり、ペットがあなたとの深い絆を感じるのを助けます。 -
安全と保護:
抱っこは、犬をある地点から別の地点に安全に移動させる効果的な方法です。
これは、特に外出先での交通事故を防ぐため、または他のペットや人々から犬を守るために役立ちます。 -
健康チェック:
抱っこは、犬の体を触れる絶好の機会でもあります。
体や顔を固定する事が出来るので、より近くで愛犬の表情を見る事が出来、表情に元気がなかったり、涙やけや目ヤニがいつもより出ている、呼吸がいつもより荒いなど、普段の様子と違う事を発見しやすくなり、病気などの予防や早期発見などに繋がります。
これにより、異常な塊、皮膚の問題、体重の変化など、病気の初期兆候を見つけることができます。 - 行動範囲が広がる
エレベーターに乗る際やケガをした時、事故や災害が発生した時など犬の身の安全を確保するときに必要です。
また、混雑している道を歩く時、病院の受診時などもスムーズに行えるようになるでしょう。 -
リラクゼーション:
多くの犬は、安全で愛情のある抱っこを通じてリラクゼーションと安心感を得ます。
これは、特にストレスや不安を感じているときに有益です。
ただし、すべての犬が抱っこを楽しむわけではなく、それが適切であるかどうかは、犬の種類、サイズ、性格、そしてその日の気分によることを覚えておくことが重要です。
また、正しい抱き方を知り、犬が不快感を示したときにそれを尊重することが必要です。
抱っこのデメリット
犬を抱っこすることは多くの利点がありますが、一方でデメリットやリスクも存在します。
以下に主なものを詳しく説明します。
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怪我のリスク:
不適切な抱き方をすると、犬が怪我をする可能性があります。
犬を急に抱き上げたり、必要以上に強く抱きしめたりすると、犬の骨や関節にストレスを与えてしまいます。
また、犬が急に暴れたり跳ねたりした場合、抱っこしている人自身が怪我をするリスクもあります。 -
不安やストレスの原因:
すべての犬が抱っこを好むわけではありません。
犬が抱っこを好まない場合や不安を感じる場合、無理に抱っこをするとストレスや恐怖感を引き起こす可能性があります。
これは犬の行動問題を引き起こす原因となり得ます。 -
依存性の発生:
適度な抱っこは問題ありませんが、過度に抱っこを行うと、犬が過度に人間に依存する傾向があります。
これは、犬が自己の能力を発達させることを妨げ、独立性を失わせる可能性があります。
これらのリスクを避けるためには、正しい抱っこの方法を知り、犬の反応と快適さを常に確認することが重要です。
また、抱っこは犬がリラックスしていて、自分から接近してきた時や、必要な場合に限定するのが良いでしょう。
抱っこ癖の対処方法
犬が過度に抱っこを要求する「抱っこ癖」は、犬の依存性を生み出し、行動問題を引き起こす可能性があります。
以下に、抱っこ癖への対処法を具体的に説明します。
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適度なスケジュール:
犬が抱っこを要求するタイミングを理解し、それに対応する適度なスケジュールを設けることが重要です。
例えば、毎日決まった時間に抱っこをする、または特定の状況下(散歩後や食事後など)で抱っこをするなどのルールを設けましょう。 -
自己安定の訓練:
抱っこ癖が強い犬は、自分自身で落ち着くことが苦手なケースが多いです。
そうした犬には、「お座り」や「待て」のような基本的なコマンドを教え、自分で落ち着く能力を訓練します。 -
無視の活用:
抱っこを要求する犬を無視するのは難しいかもしれませんが、無視は有効な訓練法です。
犬が抱っこを強く求めても、それに対して無視し、落ち着いたら褒めてあげましょう。 -
自由に動ける環境の提供:
犬が自由に動き回ることができる安全な環境を提供することも重要です。
散歩や遊びを通じて犬がエネルギーを発散できる環境を作り、抱っこに頼らずにリラックスできるようにしましょう。 -
プロの助け:
抱っこ癖が深刻で改善が見られない場合、プロのトレーナーや動物行動専門家に相談するのも一つの手段です。
以上のような対処法を試すことで、犬の抱っこ癖を改善し、犬との健康的な関係を築くことができます。
ただし、これらの方法が必ずしもすべての犬に効果的であるとは限らないことを理解し、犬の反応をよく観察しながら進めていくことが大切です。
犬が抱っこを嫌がる理由
犬が抱っこを嫌がる理由は、様々です。
以下にいくつかの主な理由とその詳細を説明します。
不安や恐怖
犬は地面に近い生き物であり、自然状態では高い位置に上がることはほとんどありません。
したがって、抱っこにより地面から離されることは、犬にとって不安や恐怖を感じる原因となることがあります。特に、初めての抱っこや、抱っこの経験が少ない犬にとっては、高所からの落下を恐れる本能が働きます。
身体的不快感
不適切な抱き方が行われた場合、犬は身体的な不快感を感じることがあります。
肋骨に圧力が加わったり、関節が不自然な角度に曲がったりすると、犬は痛みを感じ、抱っこを嫌がるようになります。
抱っこへのトラウマ
過去に抱っこによる不快な体験や事故があった場合、犬は抱っこに対してトラウマを持つ可能性があります。
これには、抱っこ中に落下した経験や、抱っこを強いられて抵抗した結果、怪我をした経験などが含まれます。
自由を奪われる感覚
犬は基本的に活発な動物であり、探索や遊びを好みます。
抱っこによって動きが制限され、自由が奪われると感じると、犬は抱っこを嫌がることがあります。
以上のような理由から、犬が抱っこを嫌がることがあります。
したがって、犬を抱っこする際には、犬の心理状態や身体的な状態を考慮し、犬が抱っこを受け入れてくれるような方法を選んだり、抱っこの頻度を調整したりすることが重要です。
犬の抱っこの仕方
抱っこは犬とのコミュニケーションの一部であり、適切に行えば愛犬との絆を深めることができます。
しかし、犬種や体調、性格によっては抱っこが苦手な子もいます。
そこで、適切な抱っこの方法を知り、犬が安心して抱っこを受け入れられるようにすることが大切です。
犬の機嫌や状況を確認する
犬がリラックスしているときや喜んでいるときに抱っこをしましょう。
また、食事中や睡眠中など犬が他の行動に集中しているときには抱っこを避けるようにしてください。
犬の大きさや体調を考慮する
小型犬は、あなたの両腕で体を支えながら抱き上げることができます。
しかし、大型犬や体調が悪い犬を抱っこする際には特別な注意が必要です。
大型犬の場合、犬が抱っこを許容している状況では、代わりに犬の身体に添ってゆっくりと抱きしめることを選びましょう。
ゆっくりと抱っこする
突然犬を抱き上げるのではなく、ゆっくりと抱っこするようにしましょう。
突然の動きは犬を驚かせ、抱っこに対して恐怖心を持つ原因になります。
安全に抱っこする
犬の胸部と後部をしっかりと支え、落下しないように注意しながら抱っこします。
小型犬の場合は、一方の手で胸部を、もう一方の手でお尻を支えます。
大型犬の場合は、犬の体をあなたの体に近づけ、あなたの体で支えることができます。
抱っこ後にプラスの経験を与える
抱っこ後におやつをあげるなどして、抱っこをポジティブな経験と結びつけましょう。
これにより、犬は抱っこに対して好意的な感情を持つことができます。
以上のような配慮と方法を持って、犬を抱っこすることは、愛犬との絆を深め、信頼関係を築く上で重要なコミュニケーションの一つとなります。
犬の抱っこのしつけについて
NG例
嫌がる犬を強引に抱える事。
犬は手や腕に恐怖を感じるようになり、撫でようとした手にも噛みつくようになってしまうかもしれません。
まずは「犬のしつけの基本理論」をしっかりと理解しておいて下さい。⇒犬のしつけの基本
また犬の集中力は10分~15分程度です。
集中力が無くなってきたと感じたら、潔くしつけを中断しましょう。
抱っこのしつけの手順
ボディコントロールのしつけを終える
犬が人間に触れられることに対して、嫌がらないように、事前にボディコントロールのしつけを終わらせておきましょう。⇒ボディコントロールのしつけ
- 正しい抱っこの仕方
滑り込ませるように手のひらを犬の胸元に入れ、胸全体を手のひらで優しく支えるように持ちます。
そして、腕の内側で腰のくびれを支え、犬の下半身を支えます。
さらに逆の手で犬の骨盤や後ろ足を支え、1ヶ所に圧力が集中するのを防ぎます。 - 脇の下に手を入れる
「ダッコ」と言いながらもう片方の手で犬の脇の下を触ります。
それでも犬がじっとしていたら「いいこ」とほめ、おやつをあげましょう。 - 上半身を持ち上げる
「ダッコ」と言いながら脇の下に手を入れ、手を入れたら上半身だけ軽く持ち上げ前足を浮かせてみましょう。
犬がじっとしていたら「いいこ」とほめ、おやつをあげて下さい。 - 下半身を持ち上げる
「ダッコ」と言いながら脇の下に手を入れて上半身を持ち上げましょう。
そのまま腕の内側を犬の腰のくびれに当て、もう片方の手で犬の後ろ脚を支え、後ろ足を浮かせてみましょう。
犬がじっとしていたら「いいこ」とほめ、おやつをあげて下さい。 - 抱っこしている態勢に慣れさせる
抱っこの状態の時間を少しずつ伸ばしましょう。
5秒程度抱っこした状態を保持し、じっとしていたら、「いいこ」とほめ、いったん降ろしておやつをあげて下さい。
その後保持時間を2~3秒ずつ伸ばしていきましょう。 - 抱っこした状態で移動
抱っこした状態でゆっくりと立ち上がり、犬が我慢できたら「いいこ」とほめ、いったん降ろしてから、おやつをあげましょう。
犬が高い場所に慣れてきたら、犬を抱っこしたまま3歩程度を目安に歩いてみましょう。
落ち着いている様子であれば、「いいこ」とほめながら、ゆっくりと部屋の中を歩いてみましょう。
中~大型犬の抱っこ
しつけの手順は小型犬と同じです。
- 上半身に腕を回し、じっとしていたら「いいこ」とほめ、おやつをあげて下さい。
- 上半身と下半身にも腕を回してみましょう。
- 今度は持ち上げてみましょう。
- 上半身のみ→下半身のみ→体全体と段階を踏みながら、慣らしていってください。
犬の抱っこグッズ
犬用の抱っこグッズとして「抱っこひも」があります。「抱っこひも」には2種類あり、リュックタイプと斜めがけタイプがあります。
その他には抱っこ用ではありませんが、移動が楽なカートがあります。
ここではそれぞれの特徴をみていきましょう。
リュックタイプ
リュックタイプは犬の体重を両肩で支えるので、飼い主さんの肩への負担が少ない点、電車などで犬の顔を隠すためのカバーや、犬が暴れて飛び出してしまわないように防止用ストラップが付いている点がメリットと言えます。
しかし形状固定されているので、小さいサイズのリュックだと、中にいる犬が体勢を変えづらい、斜めがけタイプに比べてコンパクトにしづらいという難点もあります。
斜めがけタイプ
斜めがけタイプは、スリングタイプとショルダーバッグタイプがあります。
布製スリングタイプは、コンパクトになるので、トリミングや通院などお出かけの際に気軽に使うことができます。
メーカーによっては洗濯が手軽にできるのもうれしいポイントのひとつです。
しかし、片方の肩で体重を支えるので飼い主さんにはやや負担がかかってしまうかもしれません。
カートタイプ
高齢犬や多頭飼いをしている場合にはカートがおすすめです。
犬をカートに乗せることができるので、遠出をする時に便利です。
ただし段差や狭い場所での扱いが難点です。
まとめ
✔ ボディコントロールのしつけをマスターしましょう
✔ 正しい抱っこの仕方をしましょう
✔ 嫌がる犬を強引に抱っこしないようにしましょう
犬が人と生活するうえで、時として抱っこしなくてはならないこともあります。
愛犬の体調が悪かったり、ケガをした時に病院へ行く際や犬同士でトラブルになりそうになった時など、その時は突然やって来ます。
特に小型犬と暮らしていると、どうしても抱っこをする機会は多いと思います。
それは愛する我が犬とのスキンシップであり、われわれ飼い主にとっても幸せなひと時でもあります。
このように抱っこはとても大切な行為であるので、犬の負担を軽減させてあげるためにも「人に抱っこされることに慣らす」ことを、子犬のうちから練習しておきましょう。
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