犬の流涙症~愛犬の目やにが増えたり、涙やけができていたら~
犬の流涙症(りゅうるいしょう)とは、常に目の周辺に涙があふれている状態です。
流涙症は、涙の産生量と排出量のバランスが取れていないと、目に涙が多く溜まり、過剰な涙が目から流れ出ることで起こります。
あふれ出した涙が目頭から鼻の横にかけての被毛にこびりつき、変色したものが涙やけであり、マルチーズや白のトイプードル、シーズーなど毛色の薄い犬種でよく見られます。
ここでは、犬の流涙症の主な原因はもちろん、症状から対処法、かかりやすい犬種などをまとめていますので、是非ご参考になさって下さい。
- 犬の流涙症の主な症状
- 犬の流涙症の主な原因
- 犬の流涙症の主な治療法
犬の流涙症の主な症状
流涙症の主な症状としては、目やにが増えたり、涙やけが出来るなどがあげられます。
また、目の周りが濡れたようになっていることが多いです。
主な症状 |
☆涙が出る |
☆目やにが増える |
☆涙やけができる |
☆鼻の横の湿疹 |
☆湿疹部をこすろうとする |
犬の流涙症の主な原因
流涙症の原因は、涙の分泌量が多い場合か、涙の排出路である鼻涙管が、詰まったり狭くなったりしている場合の2種類です。
- 涙の量が多い
涙の排水システム自体は正常であっても、涙の産生量が異常に多いと、排出しきれなかった涙が目頭に溜まってしまいます。
多くの場合、結膜が赤くなります。
涙の産生量を増やす要因としては、ゴミや毛など目の中の異物、逆まつげや眼瞼内反症による持続的な眼球への刺激、結膜炎、角膜炎、眼瞼炎といった目の炎症、眼輪筋の衰えによる瞬きの減少などが挙げられます。
また眼球の露出面積が多い犬種でも涙が多くなる傾向にあります。 - 涙の排水システム異常
涙の産生量は正常であっても、それを体外に出す排水システムに問題があると、排出しきれなかった涙が目頭に溜まってしまいます。
多くの場合、結膜は白いままです。
排水システムのトラブルとしては、鼻炎、副鼻腔炎による鼻涙管への圧迫、鼻腔や上顎骨周辺の腫瘍、涙嚢(るいのう)の炎症、涙小管の炎症、排水する穴が生まれつき閉じているなど先天的奇形(無孔涙点)などが挙げられます。
犬の流涙症の主な治療法
犬の流涙症の治療は、他の疾患によるものであれば、原因となっている疾患の治療を行います。
涙の排水システムである鼻涙管の以上であれば、鼻涙管洗浄や外科的治療を行う事もあります。
- 目の中の異物除去
目の中に入った異物に反応して涙が分泌されている場合は、異物事体を取り除きます。
ゴミが原因の場合は目薬などで洗い流し、毛が原因の場合は、目周辺の無駄毛をカットします。 - 基礎疾患の治療
結膜炎や角膜炎、眼瞼内反症、鼻炎、副鼻腔炎などが原因となっている場合は、まずそうした基礎疾患への治療が施されます。 - 抗生物質の点眼
目頭にネバネバした目やにがたまり、涙に臭いがついて涙嚢炎が疑われる場合は、抗生物質を含んだ目薬を点眼します。
抗生物質を選ぶ際は事前に細菌培養をして原因菌の当たりをつけ、少なくとも3週間は継続する必要があります。 - 鼻涙管洗浄
慢性的な涙嚢炎が見られる場合は、麻酔をかけ、カニューレと呼ばれる器具で洗浄し、目詰まりを改善します。
また再閉塞を予防するため、カテーテルと呼ばれる細い管を排水システムの中に挿入することもあります。 - 外科手術
生まれつき涙を通す穴が開いていないなど、先天的な奇形が原因である場合は、外科手術によって人為的に穴を開通することがあります。
また鼻に開口する部分での閉塞が見られる場合は、涙嚢と鼻腔を外科的に吻合するという手術もあります。
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