目次
もしも愛犬が下痢をしたら~細菌性腸炎や急性腎不全などの疑いアリ~
愛犬の体の一部に赤い腫れを発見したとき、その原因や背後にある可能性のある疾患について心配になることでしょう。
このページでは、犬における赤い腫れの主な原因と、それに関連する疑われる疾患について詳しく説明しています。
赤い腫れは、皮膚の炎症、アレルギー、感染症、虫刺されなど、多岐にわたる原因が考えられます。
早期の診断と適切な治療が重要なため、異常を感じた場合は獣医師の意見を求めることをおすすめします。
- 寄生虫症
- アレルギー
- 細菌性腸炎
- イヌ伝染性肝炎
- コロナウイルス性腸炎
- ジステンパー
- パルボウイルス性腸炎
- イヌヘルペス感染症
- 糖尿病性ケトアシドーシス
- アジソン病
- タンパク喪失性腸症
- 小腸性下痢症
- 大腸性下痢症
- 鼓腸
- 急性肝炎
- 膵炎
- 熱中症
- 悪性リンパ腫
- 血管肉腫
- 急性腎不全
- 慢性腎不全
- 急性糸球体腎炎
- ネフローゼ症候群
- 水腎症
寄生虫症
犬が下痢をする原因は多岐にわたりますが、その中で寄生虫症は特に注意が必要な要因の一つとされています。
寄生虫症とは、犬の体内や体表に寄生虫が付着・感染し、その活動によって様々な症状を引き起こす病気のことを指します。
内部寄生虫、特に回虫や鉤虫などの腸内寄生虫が原因となることが多いです。
これらの寄生虫は、犬の腸内で繁殖し、栄養を吸収することで、消化不良や下痢などの症状を引き起こします。
下痢が続く場合や、他の異常な症状が現れた場合は、速やかに獣医師の診断を受けることが重要です。
また、予防のためには定期的な寄生虫検査や予防薬の使用を検討するとよいでしょう。
治療法や症状の詳細はこちら
アレルギー
犬のアレルギー症状が最近増えてきています。代表的な例では、チョコレートやネギ類を食べてしまい発症する食べ物由来と、散歩中に誤ってチューリップなど球根植物を口にしてしまい発症する事例が多くみられます。
そもそも食品アレルギーとは、ある特定の食材に含まれる成分に対してアレルギー反応を示してしまうことです。
「アレルギー」とは、免疫反応が激しすぎて、本来守るべき生体に害を及ぼしてしまう状態のことです。アレルギーを引き起こす原因物質は「アレルゲン」と呼ばれます。アレルギーには様々なタイプがあり、食品アレルギーには「I型」と「IV型」が関わっていると考えられています。
前者は、アレルゲンとの接触から30分程度で現れる即時型のことで、アトピー性皮膚炎が代表格です。
後者は、アレルゲンとの接触から24時間以上かけて緩やかに現れる遅延型のことで、接触性アレルギーが代表格です。
食品アレルギーにおいては、これら2タイプのうちのどちらか、もしくはその両方が関わって発症すると考えられています。
治療法や症状の詳細はこちら
細菌性腸炎
犬の細菌性腸炎とは、細菌によって腸炎が引き起こされた状態を示す広い概念です。
代表的な細菌はサルモネラ菌、クロストリジウム菌、カンピロバクター菌、スピロヘータ、大腸菌、プロテウス菌、緑濃菌などです。
サルモネラ菌は小腸に定着して細胞内に侵入し、腸間膜のリンパ節で増殖しながらエンテロトキシンと呼ばれる毒素を産生します。腸炎を引き起こす主犯格はこの毒素です。
またカメ、ヘビ、トカゲといった爬虫類が高率で保菌していることでも知られています。
カンピロバクターもありふれた菌で、下痢をしていない犬の49%、正常な猫の45%程度が保有し、日常的に糞中に排泄していると考えられています。
治療法や症状の詳細はこちら
イヌ伝染性肝炎
犬のイヌ伝染性肝炎とは、アデノウイルス科に属するイヌアデノウイルス1型によって引き起こされる感染症です。
感染犬の尿・唾液などの分泌物が、口の中に入ることによって感染しますが、空気感染はしません。
特に1歳以下の幼犬において致死率が高く、成犬では不顕性感染(ウイルスに感染しているが症状がない状態)を示すことが多いという特徴があります。
治療法や症状の詳細はこちら
コロナウイルス性腸炎
犬のコロナウイルス性腸炎とは、感染力の強いイヌコロナウイルス(CCV)によって引き起こされる感染症です。
コロナウイルスとはニドウイルス目のコロナウイルス科のウイルスを指し、エンベロープ(ウイルスの外膜)表面に存在する突起が、あたかも太陽の炎の柱「コロナ」を思わせることからこの名がつきました。
イヌコロナウイルスは、犬の小腸上部2/3とその周辺のリンパ節を好む感染性の強いウイルスです。
治療法や症状の詳細はこちら
ジステンパー
犬のジステンパーとは、犬ジステンパーウイルス(CDV)に感染することによって発症する感染症です。
イヌ科動物に対して高い感染性がありますが、ネコ科、イタチ科、アライグマ科、スカンク科、アザラシ科、ジャコウネコ科など、ほとんどの食肉目(しょくにくもく)の動物に感染します。
なお人間に感染することもありますが、麻疹(はしか)に対する免疫があれば症状が出ることはまずありません。
鼻、のどから侵入したウイルスは、まずマクロファージによってリンパ節に運ばれ、そこで増殖します。
治療法や症状の詳細はこちら
パルボウイルス性腸炎
犬のパルボウイルス性腸炎とは、自然界に存在するウイルスの中でも最も小さい部類に入る犬パルボウイルス(CPV)によって引き起こされる感染症です。
免疫力のない子犬などが感染し発症した場合には、重篤となるケースが多いので注意が必要です。
また、犬パルボウイルスは生命力も強く、外の環境でも数ヶ月間生存する事ができると言われています。
治療法や症状の詳細はこちら
イヌヘルペス感染症
犬のイヌヘルペス感染症とは、イヌヘルペスウイルス(CHV)によって引き起こされる感染症です。
イヌヘルペスウイルスは世界中の犬で普通に見られるありふれたウイルスで、オオカミやコヨーテなど、他のイヌ科動物にも感染することが確認されています。
成犬ではほとんど無害ですが、体温調整能力や免疫力が未発達な生後間もない子犬に感染した場合は、腎臓、肺、肝臓などの壊死により大半が死に至ります 。
潜伏期間は約1週間で、発症から死亡まではおおむね4~7日です。
治療法や症状の詳細はこちら
糖尿病性ケトアシドーシス
犬の糖尿病性ケトアシドーシスとは、糖尿病が長期化した結果、血中のケトン体が増加し、様々な障害を引き起こした状態を言います。
糖尿病がケトアシドーシスを併発してしまうと、極めて状態が悪くなり、命の危険が高まってしまします。
治療法や症状の詳細はこちら
アジソン病
犬のアジソン病とは、腎臓の上にある副腎から分泌される副腎皮質ホルモンが不足することで発症する病気です。
副腎皮質機能低下症(ふくじんひしつきのうていかしょう)とも呼ばれます。
アジソン病は命に関わる病気ですが、症状が特徴的でないため発見が難しい病気です。
治療法や症状の詳細はこちら
タンパク喪失性腸症
犬のタンパク喪失性腸症とは、小腸に連なるリンパ管の流れが悪くなり、破損した管から血液中の蛋白質が漏れ出してしまった状態のことです。
遺伝的な原因の場合もありますが、ほとんどは他の腸疾患に伴って認められます。
腸から吸収された栄養素は、微絨毛(びじゅうもう)内にある中心リンパ管から乳び管と呼ばれる細い管を通って近くにあるリンパ管に合流します。
しかし、リンパ管の側に通過障害があると、本来そこへ入って行くべき体液が行き場を失い、しまいにはリンパ管の破損を招いてしまいます。
これが「リンパ管拡張症」です。
治療法や症状の詳細はこちら
小腸性下痢症
犬の小腸性下痢症(しょうちょうせいげりしょう)とは、小腸に原因を持つ下痢のことです。
腸管は、水分の分泌と吸収を繰り返すことで、管内を通過する消化物の水分含量を一定に保とうとします。
しかし、分泌機能と吸収機能のどちらか一方でもおかしくなると、腸管内における水分バランスが崩れてグジュグジュの下痢が発生します。
治療法や症状の詳細はこちら
大腸性下痢症
犬の大腸性下痢症(だいちょうせいげりしょう)とは、水分の吸収を行う大腸に原因を持つ下痢のことです。
大腸は小腸に近い方から「盲腸」、「結腸」、「直腸」と呼ばれており、水分の分泌と吸収を繰り返すことで、管内を通過する消化物の水分含量を一定に保とうとします。
しかし、分泌機能と吸収機能のどちらか一方でもおかしくなると、腸管内における水分バランスが崩れてグジュグジュの下痢が発生します。
治療法や症状の詳細はこちら
鼓腸
胃、小腸、大腸に余分なガスがたまった状態のことです。胃のガスが口から出た場合は「げっぷ」、腸のガスが肛門から出た場合は「おなら」と呼ばれます。
「犬の鼓腸症(こちょうしょう)」は、 正式には胃拡張・捻転症候群(いかくちょう・いねんてんしょうこうぐん)と言う病気です。
胃拡張は大腸の中の細菌・微生物の働きで、穀物などが発酵してガス、つまりおならが発生する状態です。
もう一つは、犬の胃が拡張して捻転を起こし、胃の出入り口が閉まるのと同時に、血液が胃に行かなくなって壊死してしまう状態です。
治療法や症状の詳細はこちら
急性肝炎
犬の急性肝炎とは、肝臓に急な炎症が起こった状態を言います。
重症化してしますと、慢性肝炎に移行することもあります。
肝臓は解毒、ビタミンやホルモンの生成、炭水化物、脂質、タンパク質の合成や分解、消化酵素の生成など数百のとても重要な役割を担っています。
肝臓や胆嚢に細菌が感染し、肝臓内に膿(うみ)がたまってしまうタイプを「化膿性肝炎」、ウイルスや細菌などの病原体に対する免疫反応として肝臓内に肉芽腫(にくがしゅ)を生じてしまうタイプを「肉芽腫性肝炎」と呼び分けることもあります。
治療法や症状の詳細はこちら
慢性肝炎
犬の慢性肝炎とは、肝臓に長期にわたって炎症が生じている状態を言います。
慢性肝炎が続くと、肝硬変や肝性脳症になることがあります。
肝臓内で繰り返し炎症が生じた結果、線維部分の占める割合が多くなり、徐々に正常な機能が失われていきます。
治療法や症状の詳細はこちら
膵炎
膵臓は、タンパク質や脂肪、炭水化物を分解する消化液を出し、血糖値をコントロールするためにインスリンを出す大切な役割を担っている臓器です。
膵炎は、血糖値のコントロールと栄養分の消化を担当しているその膵臓(すいぞう)に炎症が発生した状態のことです。
治療法や症状の詳細はこちら
熱中症
犬の熱中症とは、上がりすぎた体温をうまく下げることができず、体中の機能が低下してしまった状態のことです。
平熱が37.5~39.2℃の犬においては深部体温(直腸温)が41℃を超えた場合に熱中症と診断されます。
41℃を超えると熱によって脳にまでダメージが及び始め、43℃を超えると体中の様々な器官が機能不全に陥って急激に死亡率が高まります。
治療法や症状の詳細はこちら
悪性リンパ腫
犬の悪性リンパ腫とは、血液のがんに分類される全身性のがんです。
全身のいたるところに存在しているリンパ組織がガン化した状態を言い、リンパ肉腫とも呼ばれます。
リンパ組織とは感染症や腫瘍の広がりから体を守る免疫作用をつかさどる組織であり、具体的にはリンパ節、扁桃腺、胸腺、骨髄、腸内のパイエル板などが含まれます。
悪性リンパ腫は、一度発症すると完全に治す事が難しく、致死率も高い悪性腫瘍のひとつです。
治療法や症状の詳細はこちら
血管肉腫
血管肉腫(けっかんにくしゅ)とは、血管を構成している細胞がガン化した状態のことです。
つまり、血管のガンです。
血管を断面にすると、外側から「外膜」、「中膜」、「内膜」という構造になっており、一番内側の層は「血管内皮細胞」という細胞によって埋め尽くされています。
血管肉腫とは、この血管内皮細胞がガン細胞になってしまった状態のことです。
治療法や症状の詳細はこちら
急性腎不全
犬の急性腎不全(きゅうせいじんふぜん)とは、腎臓が突然機能不全に陥り、体にとって有害な物質を体外に排出できなくなった状態を言います。
慢性腎不全では数ヶ月~数年かけて徐々に腎臓の機能が低下していきますが、急性腎不全の場合はたった1日で急激に悪化します。
多くの場合、何の前触れもなく突然出現します。
治療法や症状の詳細はこちら
慢性腎不全
犬の慢性腎不全(まんせいじんふぜん)とは、尿のろ過を行っているネフロンが緩やかに壊れていき、腎臓が慢性的に機能不全に陥った状態のことです。
急性腎不全ではたった1日で腎臓の機能が破壊されますが、慢性腎不全では数ヶ月~数年かけて徐々に破壊されていきます。
治療法や症状の詳細はこちら
急性糸球体腎炎
犬の急性糸球体腎炎(きゅうせいしきゅうたいじんえん)とは、腎臓内部にある糸球体と呼ばれる部分に急性の炎症が発生した状態を言い、急性腎炎とも呼ばれます。
糸球体(しきゅうたい)は、腎臓を構成している機能単位であるネフロン内部に含まれた毛細血管の塊のことです。
治療法や症状の詳細はこちら
ネフローゼ症候群
犬のネフローゼ症候群とは、腎臓の糸球体(しきゅうたい)という部分の障害によって高濃度のたんぱく尿になり、血中のたんぱく濃度が極端に低下した状態を指す腎臓疾患群の総称です。
腎臓の機能単位であるネフロンの中には糸球体と呼ばれる血管の塊があり、ここが機能不全に陥ると血液の正常な濾過ができなくなります。
治療法や症状の詳細はこちら
水腎症
犬の水腎症(すいじんしょう)とは、尿を排出する管の通りが悪くなり、腎臓内部におしっこがたまってふくらんでしまった状態を言います。
尿は、腎盂(じんう)と呼ばれる部分に集められます。
その後、尿は尿管を通って膀胱に溜まり、尿道を通って体外に排泄されます。
この尿の一連の流れが何らかの原因で止まり、腎盂に尿がたまってしまい大きく広がってしまった状態を水腎症といいます。
治療法や症状の詳細はこちら
まとめ
犬の下痢の症状は多岐にわたり、下痢の原因や程度によって異なることがあります。以下に、犬の下痢の主な症状をまとめます。
-
便の一貫性: 下痢の場合、便は水っぽくなることが多い。逆に、硬い便や便秘も消化器系の問題を示すことがあります。
-
便の色: 黒い便や赤い便は内出血の可能性があり、特に注意が必要です。
-
頻度: 犬が通常よりも頻繁に排便をする場合、下痢のサインである可能性が高い。
-
他の症状との併発: 吐き気、嘔吐、食欲不振、元気がない、脱水症状(たとえば、乾燥した鼻や口、弛緩した皮膚)などの症状が下痢と併発することもあります。
-
便中の不純物: 血液、粘液、未消化の食物などが便中に混ざることがあります。
-
悪臭: 下痢の便は、通常の便よりも強い悪臭を放つことが多い。
-
腹痛や腹部の膨満: 触診したときに腹部が硬かったり、圧痛があったりすることがあります。
犬の下痢が続く場合や、上記の症状のいずれかが強く現れる場合は、速やかに獣医師の診断を受けることが推奨されます。
継続的な下痢は、脱水や栄養不足を引き起こす可能性があるため、早期の対応が必要です。
最近のコメント