犬の口唇炎~愛犬の唇に赤みや腫れ、出血が見られたら~
犬の口唇炎(こうしんえん)とは、唇から顎先にかけての領域に炎症が生じた状態のことです。
毛穴に一致するようにして炎症が広がったものを「ざ瘡」、ざ瘡が悪化して毛包が破壊され、真皮成分が流出して膿疱を形成したものを「せつ」と呼び分けることもあります。
なお「せつ」がさらに悪化し、複数の毛穴を巻き込んだものが「よう」です。
ここでは、犬の口唇炎の主な原因はもちろん、症状から対処法、かかりやすい犬種などをまとめていますので、是非ご参考になさって下さい。
- 犬の口唇炎の主な症状
- 犬の口唇炎の主な原因
- 犬の口唇炎の主な治療法
犬の口唇炎の主な症状
犬の口唇炎の主な症状としては、唇が赤く腫れていたり、唇から出血しているなどがあげられます。
下記にそれらをまとめていますので、是非ご参考になさってください。
主な症状 |
☆唇が赤く腫れている |
☆唇から出血している |
☆口元の炎症 |
☆口元をひっかくしぐさ |
☆口周辺の脱毛 |
☆口周辺の悪臭 |
犬の口唇炎の主な原因
犬の口唇炎の主な原因としては、喧嘩などで唇に傷を負い、そこに細菌が入り込んで炎症を起こしたり、毛包虫やヒゼンダニなどの寄生虫、マラセチアや皮膚糸状菌、カンジタなどの真菌に感染することによって唇にも炎症が起こることがあります。
- 細菌による感染
唇にできた傷口に、細菌が繁殖することで炎症が広がります。
外傷の原因としてはとげ、木の枝、草、芝、接触性アレルギーなどです。
原因菌としては黄色ブドウ球菌が代表です。 - 歯垢や歯石に含まれる細菌
歯垢歯石に含まれる細菌が刺激となって、歯や歯肉と接触する口腔粘膜に炎症やびらん、潰瘍が生じることがあります。 - 寄生虫感染
皮膚に寄生生物が感染することで口唇炎に発展することがあります。
菌では皮膚糸状菌、寄生虫では毛包虫が代表格です。 - かかりやすい犬種
特に顎先にざ瘡を生じやすい犬種が確認されています。
具体的なかかりやすい犬種は下記の通りです。・ボクサー
・ドーベルマン
・ブルドッグ
・グレートデン
・ワイマラナー
・マスティフ
・ロットワイラー
・ジャーマンショートヘアードポインターなどです。こうした犬種においては、ホルモンの分泌異常が何らかの関わりを持っていると推測されます。
犬の口唇炎の主な治療法
犬の口唇炎の治療は、原因となる病気や怪我の治療を行うことが必要です。
- 唇への刺激の排除
木の枝をかじる癖があったり、おやつとしてとして鳥の骨を与えていたり、アレルギーを引き起こしうる素材の食器を使用している場合は、そうした唇への刺激を取り除きます。 - 対症療法
疾患の原因を取り除くと同時に、症状の軽減を目的とした治療が施されます。
具体的には口周りを抗菌性の石鹸で洗ったり、場合によっては抗生物質を処方して繁殖した細菌を殺します。
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