犬の白内障

犬の白内障~愛犬の目がなんだか白くなってきた気がしたら~

犬の白内障とは、眼球内にある水晶体と呼ばれる組織が白く濁ってしまった状態のことです。

白内障とよく似た外観になる病気として「核硬化症」(かくこうかしょう)があります。
これは加齢に伴って発生する水晶体の硬化と白濁であり、通常は視覚障害を伴いません。
初期の白内障と鑑別する際は「徹照法」(てっしょうほう)と呼ばれる方法が用いられます。
これは瞳孔の中に光を照射し、眼球の奥にあるタペタム層からの反射光を観察するというものです。
白内障では水晶体の濁りによって途中で光が遮られ、灰~黒の点が現れますが、核硬化症の場合はこうした不連続な部位が現れません。

ここでは、犬の白内障の主な原因はもちろん、症状から対処法、かかりやすい犬種などをまとめていますので、是非ご参考になさって下さい。


  • 犬の白内障の主な症状
  • 犬の白内障の段階
  • 犬の白内障の主な原因
  • 犬の白内障の主な治療法
  • 若い年齢での白内障
  • 最後に

犬の白内障の主な症状

白内障の初期症状は、見た目にも視力的にも現れにくく、なかなか気付く事が難しいです。
ただ、中には夜盲症と呼ばれる暗闇で物が見づらい症状が出る事もありますので、もし、愛犬が薄暗い部屋の中で物にぶつかったり、動きたがらないなどの症状があれば、要注意です。

主な症状
☆瞳孔の奥が白く変色
☆視力の悪化
☆障害物にぶつかるようになる
ブドウ膜炎
網膜剥離

犬の白内障の段階

白内障は、大きく分けて3つのステージがあります。
下記にそれぞれの段階を説明していますので、確認してみてください。

未熟白内障 
水晶体の一部が白濁している状態。
視界がぼやけたり、かすんだりなどの視覚障害が現れ始めます。

成熟白内障 
水晶体全体が完全に白濁した状態。
視力の低下が顕著に出てくるのは、この頃です。

過熱白内障 
水晶体の白濁が進行し、融解が起こった状態です。
眼球の中に融けた残存物を見ることができるようになります。
この段階は、失明する一歩手前の状態です。

犬の白内障の主な原因

犬の白内障は、加齢によるものや遺伝によるものが多いです。
しかし、それ以外にも、外傷や薬物の影響、糖尿病などの基礎疾患が原因で起こることもあります。

犬の白内障の主な治療法

白内障から再び見えるようにするには、外科手術をするしかありません。
しかし、網膜にまで異常がある場合は、神経異常を伴っているため、手術をしても視力を回復させる事はできません。
そのため、手術が可能かどうかの検査をする必要がありますが、この検査も手術のも全身麻酔をするので、愛犬の年齢を考える必要があります。

  • 対症療法
    疾患の原因を取り除くよりも、症状の軽減を目的とした治療が施されます

  • 外科手術
    水晶体が融解して「過熱白内障」に進行し、ブドウ膜炎網膜剥離を引き起こす危険性がある場合は外科手術が行われます。
    具体的な方法は下記の通りです。

    「水晶体乳化吸引術」
    高周波の振動で水晶体を破壊して吸い取る。

    「水晶体摘出」
    水晶体を外科的に取り除く摘出術です。
    水晶体があった場所には人工の眼内レンズが装着されることもあります。

若い年齢での白内障

白内障は加齢による疾患のイメージがありますが、まだ若い10歳以下でも発症する事があります。
これを若年性白内障と言いいますが、この場合、老齢性と比べて進行は急速に進んでいきます。
もし、網膜の異常が出てしまうと手術しても回復が期待できなくなるので、少しでも気になったら、すぐに動物病院に受診しましょう。

最後に

犬の白内障は老齢の場合、ゆっくりと進行します。
老齢ですと、心臓への負担を考えて、手術をためらう事もあると思います。
犬の白内障は、点眼やサプリメントで進行を遅らせることはできますし、もともと犬は視覚よりも、どちらかと言えば嗅覚や聴覚などに頼って暮らしています。
ですので、飼い主がしっかりとケアをしてあげれば、愛犬にとっても幸せな生活を送る事ができます。

しっかりと、獣医さんと話し合い、愛犬にとってのベストな選択をしてあげる事が飼い主の義務です。

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