犬のホルモン性脱毛症

 器官や臓器の働きを調整するホルモンの分泌が異常になることによって発症する脱毛症です。 特徴の一つは、「左右対称性」であるという点です。

  主な症状
副腎皮質ホルモン異常  副腎皮質ホルモンの作用が亢進するクッシング症候群においては、胴体部が広く対称性に脱毛するほか、皮膚への石灰沈着、皮膚の萎縮・弱化とそれに引き続く膿皮症といった周辺症状も見られます。
性ホルモン異常  メスのエストロゲン分泌過剰で、生殖器や肛門周辺の脱毛のほか、発情周期の乱れ、繁殖力の低下など症状が現れます。また、去勢したオスではテストステロンの減少に伴い、お尻、しっぽの付け根、脇腹にゆっくりとした脱毛が見られることもあります。
甲状腺ホルモン異常  甲状腺機能低下症においては、動作の緩慢、寒さや暑さに弱くなる、体がぶよぶよむくんだようになるといった症状のほか、まれに胴体の左右対称性脱毛や色素沈着が見られることがあります。
成長ホルモン異常  成長ホルモンの不足により、首、体幹、太もも裏側における左右対称性の脱毛、皮膚の弱化と色素沈着といった症状がみられるようになります。多くは先天性で生後2~3ヶ月齢から症状が見られますが、後天的に発症するケースもあります。

 

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犬のホルモン性脱毛症の主な原因

  • 副腎皮質ホルモン クッシング症候群の原因は、遺伝、脳内の腫瘍、副腎の腫瘍など多様です。
  • 性ホルモン 性ホルモン異常の原因は、先天的なものであれば卵巣の異常(I型・II型)が有名です。I型ではエストロゲンが不足し、II型では逆に過剰となります。後天的なものとしては、精巣腫瘍、避妊・去勢手術に伴うホルモンバランスの変化などが挙げられます。
  • 甲状腺ホルモン 甲状腺機能低下症(アジソン病)の原因は、自己免疫疾患、甲状腺の萎縮、クッシング症候群の影響などです。
  • 成長ホルモン 成長ホルモン異常の原因は、先天的なものであれば「下垂体矮小症」が有名です。これは生まれつき成長ホルモンを分泌する下垂体に異常がある状態のことで、ジャーマンシェパード に多いとされます。後天的に発症する成長ホルモン異常の原因は、多くの場合不明です。通常は1~2歳頃に発症し、ややオスに多いとされます。

 

犬のホルモン性脱毛症の主な治療法

  • 腫瘍など別の疾病によってホルモン性脱毛症が引き起こされている場合は、まずそれらの基礎疾患への治療が施されます。たとえばホルモン生成器官にできた腫瘍を除去するなどです。
  • 足りないホルモンを補ったり、過剰なホルモンの生成を抑制するような各種薬剤が投与されます。しかし副作用の危険性が高いため、投与は慎重、かつ長期的に行われます。

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